「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.26「美しく散った韓国と泥臭く残った日本 」

ドイツに勝った韓国の試合ぶりを伝える6月29日付けの『日刊スポーツ』

ロシアで行なわれているFIFAワールドカップ。アジアの出場枠を得て日本と韓国が出場したが、決勝トーナメントに進出したのは日本のほうだった。韓国はグループリーグで敗退。しかし、最後に世界王者のドイツに勝ったことで、韓国の国内で「甦ったアジアの虎」と評された。

世界が驚く大番狂わせ

今回のワールドカップで、日韓の戦いぶりは対照的だった。
日本は、初戦のコロンビア戦で金星を挙げる勝利。そして、2試合目のセネガル戦も必死の反撃で引き分けに持ち込み、第3戦のポーランド戦を迎えた。
一方の韓国は、初戦でスウェーデンに1-2で敗れ、第2戦でもメキシコに敗れた。その戦いぶりは不甲斐ないもので、韓国では代表チームに対する批判が吹き荒れた。そして、第3戦のドイツ戦を迎えた。

ドイツは、前回のブラジル大会の優勝国であり、世界ランキングが1位。まさに世界王者と言える強豪国で、韓国代表の監督ですら勝ち目がないことを認める有様だった。
しかし、いざ試合が始まると、韓国はあふれる闘志と見違えるような走力で、果敢にドイツとわたりあった。ボール支配率では差を付けられていたが、ドイツの反撃を完璧に封じた。
0-0で迎えたまま、試合終了直前になって韓国は怒濤の2点を入れて、世界がアッと驚く大番狂わせを演じた。2-0の勝利は、誰も予想できなかったことだ。
結局は1勝2敗となって決勝トーナメントの進出を逃したのだが、素晴らしい戦いぶりは韓国でも称賛され、「美しき終焉」と称された。

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2018.06.30