アンコールは、「Moonlight Swing」でダンサーとリズムに乗る姿を披露。バンドメンバーの紹介を終えると、彼らにむかって「また、3年後くらいに会いたいですね」というジョンヒョンに、客席から悲痛な声が上がる。すると、「一番悲しいのは、僕ですよ。行くのは僕ですから。でも、当たり前のことですからね」という本音が再び。そして「切ない気持ちを慰めましょう」と歌い始めたのは、現在ロングラン上映中のジョンヒョンも出演している日本映画『生きる街』挿入歌、「ひかりのまちで」。ジョンヒョンの柔らかく暖かな歌声が、会場中を包み込んだ。
「最後は幸せな笑顔で帰ってほしい。思いっきり笑顔で、思いっきりデカい声で、倒れるくらいに!」と鼓舞すると、「ご主人のかた! 前に出てきてください」と男性ファン有志を集める。5人の男性ファンをステージに上げて「Starlit Night」のサビを歌わせると、男性ファンは<この世界で輝いてる 君と僕の話を知ってる 変わらずそばにいてくれる ジョンヒョンの心が光らせている>と替歌で応酬。アコースティックギターのイントロで曲が始まると、ステージの男性ファンと客席のファンは一緒に、サビを<ジョンヒョンの心が光らせている>と歌い、ジョンヒョンは<君の心が光らせている>と歌う。お互いの愛が伝わる瞬間だ。客席にマイクを向けてファンの大きな声に聴き入るジョンヒョン。ステージの上のジョンヒョンも客席のファンも、笑顔だ。音楽だけが作り出せる、最高の一体感と暖かい笑顔がそこにはあった。
すぐさま沸き起こるイ・ジョンヒョンコールにWアンコールで応えると、「最後の最後ですから、思いっきりデカい声で!」と<どんなに離れても>と歌い出すと、ファンが<いつでも愛してる>とすぐに並走。「最高!」と言いながら「Blind Love」を歌うジョンヒョンは、ファンの声を聴きながらゆっくりステージの上を歩いて手を振り、とにかく笑顔で、同じ場所で同じ時間、同じ曲を楽しむ様子を頭の中に刻み込んでいるようだった。
彼にとっては、"入隊前最後のライブ"。とかく悲しいムードになりそうなものだが、ジョンヒョンは彼らしい正直さと明るさで、最後まで笑顔を見せて、ファンも笑顔にしてくれた。先に入隊したヨンファは、2019年の除隊までに、書き下ろしのソロ曲5曲を連続配信するプロジェクト「FEEL THE FIVE “Y”」をスタートさせた。8月29日には、CNBLUE初のジャパン・ベストアルバム『Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 - 2018]』もリリースされる。昨今は入隊中にも作品がリリースされたり、入隊前に準備されたさまざまな企画が発表されるので、大きなブランクは感じられなくなってきた。ジョンヒョン自身も「早くバンドをやりたい!」と切望していたが、楽しかった思い出を胸に、ジョンヒョンの、そしてCNBLUEの帰りを待ちたい。
(取材・文/坂本ゆかり)
(写真/平野タカシ)
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