「コラム」連載「康煕奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流」Vol.8 平昌五輪で実現した歴史的な試合「日本対コリア」

将来を先取りする試合

今回のコリア戦の前に、日本はオリンピックで12戦して一度も勝っていなかった。それだけに、コリア戦は1勝をあげる最大のチャンスとなった。
予想されたことだが、地元のコリアに対する応援は熱狂的だった。コリアはパックを得ただけで大歓声があがり、日本は完全にアウェーの空気に飲まれそうだった。しかも、コリアは2試合を終えてゴールが1つもなかったので、必死であった。
それでも、世界ランク9位の日本は、終始優勢に試合を進め、実力の差を生かして4対1で完勝した。
確かに、準々決勝を断たれたチーム同士の対戦だったが、日本対コリアは注目に値する試合であった。


特筆すべきは、日本、韓国、北朝鮮が1つの試合で力を競い合ったということだ。そんな機会は、今までほとんどなかった。
スポーツの日韓戦と言えば、サッカーにしろ野球にしろ壮絶な名勝負になることが多い。そこに今度は北朝鮮が加わって、隣国同士の熱い戦いが繰り広げられた。
いつの日か、韓国と北朝鮮が統一すれば、当然ながら「日本対コリア」という試合がひんぱんに行なわれる。
そういう意味では、平昌オリンピックでの女子アイスホッケー「日本対コリア」の一戦は、将来を先取りする興味深い試合となった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

 

2018.02.17