518年続いた朝鮮王朝が滅亡
条文には「韓国皇帝がすべての統治権を完全かつ永久に日本国皇帝に譲渡する」と書かれている。
この中で「完全かつ永久」という表現が、朝鮮半島が軍事力で日本に取り込まれたことを物語っていた。
「日韓併合ニ関スル条約」の公布によって、518年続いた朝鮮王朝が滅んだ。朝鮮総督府が置かれ、日本の植民地統治が始まった。
日本の植民地になった後の朝鮮半島はどうなったのか。
朝鮮総督府は天皇に直属し、日本の内閣からも独立した存在として朝鮮半島における立法・行政・軍事の権力を一手に握っていた。
その根本は軍事力による統治ということだった。朝鮮総督が現役の陸海軍大将から選ばれたことも、その武官専制を象徴していた。
朝鮮半島では言論・集会・結社の自由が完全に奪われ、1911年には朝鮮教育令が公布されて日本語による臣民教育が本格的に始まった。(ページ3に続く)