除隊から2カ月足らず
今回の『花遊記』の放送事故は今までの例とは比べ物にならない。まさに歴代級の失態である。
こうした放送事故が起こる背景には、準備不足が挙げられる。
放送の当日まで撮影をして急いで編集作業に入るので、いつ放送の遅延が起こっても不思議がない。
そういうリスクを避けるためには、かなり事前から撮影を進めるべきなのだが、制作予算を切り詰めるために、俳優やスタッフの拘束時間を短くすることが常態化している。
結局、「生放送」と言われるほどに切羽詰まった撮影・編集スケジュールにならざるをえないのだ。
さらに、今回の『花遊記』の放送計画には無理があった。
なにしろ、主演のイ・スンギが除隊したのは10月31日なのである。それから2カ月足らずで『花遊記』の放送が始まるというのは、あまりに性急すぎる。そのしわ寄せが撮影現場を混乱させたとしか言いようがない。
『花遊記』はイ・スンギの記念すべきドラマ復帰作であった。本人の熱演よりも、放送事故のほうが取り沙汰されるようになってしまった。放送計画を見直して、ぜひ完成度の高い作品に仕上げてほしい。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/