ドラマが伝える韓国の心情
最近の韓国で特に人気を集めているホームドラマの『お父さんが変』。視聴率が30%を超える人気ぶりだ。
このドラマに印象的な場面があった。主人公の一家の二女であるミヨンには、高校時代に自分を徹底的にいじめた憎き同級生がいた。こともあろうに、その同級生が兄(長男)の嫁として同居人になるという事態になった。
しかし、ミヨンには絶対に容赦できないことだった。そこで、ミヨンは同級生に強く謝罪を要求するのだが、相手は気楽に「ごめんね」と言うだけだった。そんな軽い謝罪の言葉をミヨンが受け入れるはずもなく、彼女はさらに同級生を呼び出して徹底的に糾弾していく。
その様子をドラマは延々と描くのだが、ミヨンの言葉の一つ一つが、韓国人の謝罪に対する概念を端的に表していた。ミヨンが繰り返し言い続けたのは、「軽い言葉だけではなく真摯な態度で見せろ」ということだった。
外交的に言えば、日本は何度も謝罪している。それなのに「いつまで謝罪しなければならないのか」という国民感情があるのも事実だ。
しかし、その謝罪が韓国の人の心に届いていない。「形」がともなっていないからだ。それが見えないかぎりは、韓国の世論が納得するのは難しいと思えるのだが……。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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