韓国を代表する芸能プロダクションSMエンタテインメントが所属歌手らから相次いで訴訟を提起されている。
グループ「東方神起」の前3メンバー(ジェジュン、ジュンス、ユチョン)、「SUPER JUNIOR」のハンギョン、そして「EXO」のKRISまで、法廷での争いに発展しているのだ。
常に最高の人気を誇るグループで問題が生じていることから、「所属歌手たちとの関係に問題があるのでは」との指摘が出ている。3件の訴訟問題はすべて「収益配分」や「活動上の契約」に矛先が向いている点も注目すべき部分だ。
一方的な民事訴訟は数年間に長期化する可能性があるため、度重なる訴訟がSMエンタテインメントの信頼に打撃を与える、という分析もある。
15日、放送界によるとKRISはこの日、SMエンタテインメントを相手に専属契約効力の不存在確認を訴え、ソウル中央地方裁判所に提出した。
KRIS側は「SMエンタテインメントはビジョンを提示するよりも(KRIS)を付属品や商品の対象として扱った」とし、「スケジュールの決定や収益配分の過程でも問題が生じていた」とした。
また「SMエンタテインメントが有利となるような立場を濫用し、不当な支配力を行使した」とし「基本的な人権を過度に制約した」と主張している。
まだ具体的な裁判日程は決定していないが、審理手続きが本格化すれば、先ごろミニアルバムを発表し公演などを活発に展開しているグループの活動にも少なからず支障をきたすことになるだろう。
SMエンタテインメントと所属歌手の間に巻き起こる専属契約関連の法的紛争は、今回が初めてではない。
2009年、当時最高の人気を誇っていたグループ「東方神起」の3メンバー(ジュンス、ジェジュン、ユチョン)が13年という専属契約期間と収益配分の過程で不当性を指摘し、専属契約効力を停止するよう訴訟を起こした。
メディアとファンの関心が集中するなか、両者が法廷での攻防を繰り広げながら、同時にファン同士も葛藤を経験したのだ。
結局2012年11月、協議で訴訟は終結を迎えたが3年4か月という長い期間、両者が被った被害は小さくなかった。
さらに2009年にはグループ「SUPER JUNIOR」の中国人メンバー、ハンギョンがSMエンタテインメントを相手に「専属契約効力の不存在確認」訴訟を提起。当時、ハンギョンは事務所側と活動方式が合わないとして訴訟を起こした、と伝えられていた。
ハンギョンは1審で勝訴したが、これを不服としたSMエンタテインメントが控訴。2011年9月、ハンギョンが事務所側の同意の下に訴訟を取り下げ、法廷での争いは終結し、現在は中国で独自の活動を展開している。
このように韓国最大の芸能プロダクションであるSMエンタテインメントで問題が相次いで発生する点について、一部ではSMエンタテインメントが契約および管理システムを見直す必要があるのでは、との声が上がっている。
これは、SMエンタテインメントが抱える「うまく育てた末に、出ていかれる」という悪循環を防止すべきだ、という意味でもある。
ある芸能プロダクション関係者は「去る数年間、訴訟を経て契約と関連した制度が改善されたにも関わらず、また同じような訴訟が繰り返されるのは、SMエンタテインメントが全般的なシステムについて再度見直す必要がある」とし「特に、SMエンタテインメントが積極的に海外出身のメンバーをグループへ加入させているなかで、文化的な差によって生じてしまう歌手との葛藤を予防しなければならない」と指摘した。