このところ、ソ・ジソブをイメージする機会が多い。彼が主演した『軍艦島』の話題が韓国のマスコミを賑わせているし、彼の代表作とも言える『ごめん、愛してる』が日本でもリメークされた。
彼が見せる「ありのまま」
初めてソ・ジソブを強烈に意識したのは、『バリでの出来事』のときだった。哀しみの表情の中に、何かをジッと耐えている人間の強さのようなものがうかがえて、その奥行きの深い人間性に引きつけられた。
記者会見のときによく行なわれるフォトセッションでも、ソ・ジソブはほとんど笑わない。どのスターもかならず満面の笑みを浮かべるのに、ソ・ジソブはそうしない。どこか遠くを見るような澄んだ瞳のままだ。
「人は誰だって、自分の中にある明るい面を出そうとするのに、なぜかソ・ジソブはそうしない。それが不思議だ」
そう思っていた。実際、多くのフォトセッションでもソ・ジソブはカメラマンの列をながめていることが多い。それが彼の「ありのまま」なのだ。
ソ・ジソブは変わらない。たとえ、どんなに周囲が変わったとしても……。(ページ2に続く)