心配な正祖の病状
重臣の1人が「今のお加減はいかがですか」と尋ねると、正祖は「朦朧とした感じだ」と答えた。
その後、李時秀が用意した煎じ薬を飲んだ正祖は少し眠った。そばに仕える重臣や医官たちは固唾をのんで正祖の病状をうかがった。
1800年6月28日になった。
左議政(チャイジョン/副総理に該当する)の沈煥之(シム・ファンジ)が尋ねた。
「夜間に聖体(正祖のからだの状態)はいかがでしたか」
正祖はこう答えた。
「漏刻(ヌガク/水時計のこと)が止まったあとに少し眠った」
今度は李時秀が尋ねた。
「夜間に何か召し上がったものはありますか」
正祖が「ない」と答えたので、李時秀は人参茶を用意した。それを正祖はゆっくりと飲んだ。(ページ4に続く)