綾陽君は西宮(現在の徳寿宮)の中庭で仁穆王后から光海君の斬首を要請された
ついに、光海君の廃位という知らせを聞いた仁穆王后。あれほど願った復讐が成就したのだ。いや、まだ復讐が残っていた。それは、憎き光海君の首をはねることだった。そのことを仁穆王后は綾陽君(ヌンヤングン)に執拗に要請した。
逃亡して捕まった光海君
仁穆王后は綾陽君に言った。
「皆のおかげで、朝廷に安定が戻り、怨みも晴らせた。こんなに感激することが他にあろうか。ただ気になるのは、逆魁(ヨククェ/光海君のこと)の父子が今どこにいるかということだ」
「王宮にいます」と綾陽君は答えた。逃亡して捕まった光海君は、王宮に軟禁されていたのだ。
その瞬間、仁穆王后は感情をあらわにした。
「同じ空の下で一緒に住むことができない仇(かたき)だ。長く耐えてきたが、私が直接彼らの首を斬り落としたい」(ページ2に続く)