激怒した仁穆王后
西宮に幽閉されて過酷な生活を強いられていた仁穆王后と貞明公主。2人にとって、綾陽君はまさに救世主だった。
しかも、仁穆王后と貞明公主は光海君に強い恨みを持っており、いわば、復讐する機会を作ったのが綾陽君であった。
それなのに、綾陽君が使者を西宮に送ると、仁穆王后は喜ぶどころか、あからさまに不平を言った。
「この10年間、誰も見舞いに来なかった。そなたたちはどんな立場で、こんな夜中に突然やってきたのか」
そう言って怒りをあらわにした仁穆王后。綾陽君は彼女と貞明公主を王宮に迎えようとしたのだが、仁穆王后はきっぱりと拒否した。
その激怒ぶりを知った綾陽君は、自ら西宮に出向いた。彼はひれ伏して仁穆王后と貞明公主が現れるのを待った。(ページ4に続く)