映画『キム・ソンダル』を語る上で外せないのが、彼を支える個性豊かな仲間の存在。キム・ソンダルに負けない強烈なキャラクター像は、彼らを主人公にした作品が作れそうなほどだ。
なかでも、キム・ソンダルと息の合った連携を見せる唯一無二の相棒ポウォンを演じた怪優コ・チャンソクの存在感は大きい。メタボ体型の中年男としてどこか憎めない彼は、登場のたびに観客にひと笑いを提供する。変幻自在の変装と巧みな話術でキム・ソンダルを支える姿は、最高コンビの誕生を予感させた。
そんなポウォンがメロメロなのが、名優ラ・ミラン扮する占い師のユン菩薩。個性派集団を見守りつつも、自らひと波乱起こしていく。アドリブだらけだったというコ・チャンソクとの恋の駆け引きは、爆笑すること間違いなし。
ひと癖もふた癖もあるグループのなかで、唯一の常識人として登場するのがEXOシウミンが演じるキョンだ。優しく世間知らずな末っ子的存在のキョンは、兄貴分のキム・ソンダルに追いつきたいと努力を重ねる。その心清らかな姿は、作中の清涼剤となっている。
キョン役に抜擢されたシウミンは、本作が初めての映画出演。スクリーンデビューとは思えぬ巧みな演技を見せる。純粋で愛らしい姿は、ビジュアルの高さも踏まえて胸キュン必至だ。
キム・ソンダル仲間たちの活躍を描く上で、重要な役割を担うのが演技派俳優チョ・ジェヒョンが演じた最強の敵ソン・デリョン。冷酷な野心家の彼は、清に捕虜を売り渡したことで巨万の富を手に入れて、王も簡単には手を出せないほどの権力者となった人物。
冷酷非道な最強の敵を相手に、キム・ソンダルと仲間たちはどう騙すのか。緊迫の駆け引きはスクリーンでぜひ、堪能して欲しい。
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