「コラム」42年前の悲劇が崔順実事件の始まりだった

史上最低の支持率

前述した顛末が『実録KCIA~南山と呼ばれた男たち』に書かれているが、同書を読むと、若き日の朴槿恵大統領がいかに崔太敏に取り込まれていたかがわかる。彼は、違法行為が多い犯罪者にすぎなかったのだが……。
その後、1979年10月に朴正熙大統領も部下に暗殺される事態となり、娘の悲しみには底がなかった。そのときもまた、崔太敏が言葉巧みに若き日の朴槿恵大統領を精神的に籠絡したのだろうか。


当時のKCIAが危惧したことが40年後に現実のものとなった。
すでに崔太敏は世を去っているが、国家を揺るがす大事件の張本人になったのは、その娘の崔順実であった。
彼女も父親から様々な手練を受け継いでいたに違いない。あまりに危険な父娘に取り込まれた朴槿恵大統領は、史上最低の支持率という一番不名誉な記録を作る羽目になってしまった。

 

文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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2016.11.24