孝明世子は1830年に昌徳宮の中の熙政堂(ヒジョンダン)で亡くなった
早すぎる死が惜しまれる
孝明世子は容貌に優れ、頭脳も明晰だったという。今でいえば、イケメンのエリートだったわけだ。
祖父は時代劇『イ・サン』の主人公になった正祖(チョンジョ)だが、読書好きで知られた正祖ゆずりで、とにかく本を読むことが好きだったという。
この孝明世子は、父の純祖の命令によって18歳頃から政治を代行することも多かった。その際には安東金氏の勢力に対抗して新しい人材を登用したというから、もし孝明世子がもっと生きて順当に王になっていれば、政治を刷新していたに違いない。
本当に惜しい若者が早世してしまったものだ。
そういう気持ちで『雲が描いた月明かり』を見ると、ドラマで描かれた孝明世子にさらなる関心を持つのではないだろうか。
今までは歴史上でも影がうすかった孝明世子だが、ドラマの人気にともなって大いに知名度をあげるに違いない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)