「コラム」第10回 高麗王朝の歴史(後編)/康熙奉(カン・ヒボン)の「簡潔に読む!韓国の歴史」

肉食をしなかった

芸術に目を転じれば、高麗文化を象徴するものが青磁である。もともとは中国の影響で始まった高麗青磁だが、12世紀半ばには独特の優美な形と色合いが完成し、以後は貴族社会の中で定着して朝鮮半島を代表する美術品になった。その芸術性は今も高く評価されている。

食生活の面では、仏教が厚く信仰されていたので、殺生を禁じる教えに従って肉食を控えていた。

さらに、まだ唐辛子などが伝わっておらず、キムチにしても今の水キムチのように辛くないものを食していた。そういう意味では、現在の韓国とはかなり違った料理が食卓に並んでいたと推定される。

朝鮮半島で肉食が盛んになるのは、国教が仏教から儒教に変わった朝鮮王朝以降であり、キムチが辛くなるのは唐辛子が伝わった17世紀以降のことである。

いずれにしても、現在の韓国は政治、生活、文化、風習の様々な面で500年以上も続いた朝鮮王朝の影響を濃密に受けており、高麗時代は遙かな歴史のかなたにある、という雰囲気がないわけではない。

それでも、仏教を信仰する国民が多いというのは高麗時代の賜物だし、新羅の後を受けて朝鮮半島の統一を守ったという点でも歴史的に高い評価を受けている。

 

文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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2016.09.29