2011年、韓国を熱狂させた話題の歴史ドラマが、NHKBSプレミアムに登場!
7月からの放送に先立ち、6月9日(土)、東京・渋谷NHKふれあいホールにて「BSコンシェルジュ~韓国ドラマ『王女の男』特集~」の公開収録が行なわれた。同ドラマは朝鮮王朝第5代王・文宗(ムンジョン)の時代、王座を狙う文宗の弟・首陽大君(スヤンテグン)が王座を手に入れるために政敵を殺害した歴史に残るクーデター「癸酉靖難(ケユジョンナン)」をモチーフとした作品。
パク・シフ演じる首陽大君と政治的に最も対立するキム・ジョンソの息子キム・スンユとムン・チェウォン演じる首陽大君の娘・セリョンとの悲しくせつないラブストーリーを描いた韓国版“ロミオとジュリエット”。
主演の二人をゲストに迎えての公開収録という事で、会場には約8000件の応募の中から当選した100組200名近い視聴者と80名を超える報道陣が期待を寄せる中、番組は進行。
白いジャケットに黒いインナーと黒いパンツ姿で登場したパク・シフは現代の美しき貴公子、キム・スンユを彷彿させ、白地にシルバーの模様が施された美しいドレスで登場したムン・チェウォンも現代版のイ・セリョンといった印象で、会場からは感嘆の声が上がった。
大きな声援と拍手の歓迎を受けたパク・シフは「いつもファンの皆さんが空港で迎えてくださって、いつもそこから始じまります。」と前日の来日のようすに触れ、「日本に来るたびに元気を頂いて韓国に帰ることができます。そして韓国に帰ると日本のことが思い出され、皆さんが恋しくなります。」と日本の印象を語ると、ムン・チェウォンも「実は私は小学校の時に家族旅行で日本に来たことがあります。成人になってからは初めてですが、このドラマに皆さんがたくさんの期待を寄せて下さり、ファンの皆さんにもお会いできて、本当に幸せです。」と笑顔を見せた。
公開収録には映画コメンテーターのLiLiCoも登場、一足先に本編を視聴したLiLiCoがドラマの映像を見ながら“LiLiCo流『王女の男』を楽しむポイントを紹介。最近は韓流コメンテーターといってよいほど、韓流の仕事が多いというLiLiCoはその明るいキャラでドラマを解説、軽快なトークでパク・シフとムン・チェウォンにファン目線で質問やお願いをして会場を沸かすなど、番組の盛り上げ役となった。
スクリーンに映し出される映像を見ながら「久しぶりに映像を見て感慨深かった。」とパク・シフが述べるとVTRが吹き替え版だったことに「自分の声を声優の方が吹き替えて下さっていたのが、まるでアニメを見るようで楽しかったです。」と楽しそうに話すムン・チェウォン。パク・シフも「僕は声優の方の声が(僕と)合っていたと思いました。」とそれぞれ感想を語った。
復讐を誓った宿敵の娘との禁断の恋に苦悩するスンユを演じたパク・シフは「主人公は本当に辛い状況におかれていましたので、演技をしている、こちらも非常に辛い気持ちになりました。愛する女性が敵の娘ということで、どんな風に感情を表現したらよいのか悩みました。チェウォンさんとも色々話し合い、相談しながら演技しました。」と撮影を振り返った。さらに「特にセリフがないシーンは目の演技が要求され、途中から復讐に燃えるという設定ではセリフがないシーンがたくさんありました。」とドラマの見どころでもある“瞳の演技”に触れると、LiLiCoが会場のファンへ呼びかけ、劇中の“瞳の演技”を再現することに、LiLiCo、そしてファンへと“流し目”を披露すると会場から黄色い声が上がり、大興奮に包まれた。
続いて「撮影も夏でしたので大変でした。4日間続けて撮影したこともあり、相手を見たら眠りながらセリフを言っていたこともありました(笑)。“お酒にすっかり酔っている”というシーンだったので逆に自然でした(笑)。」とエピソードを披露し、会場の笑いを誘った。
ムン・チェウォンは「この作品が非常に気に入り、特にラブストーリーの部分が気に入ってました。パク・シフさんとは同じ事務所にいたことがあり、とても気楽に楽しく撮影することが出来ました。」と述べ、「夏の撮影は本当に暑くて、二人で馬に乗るシーンは汗まみれになりながら撮影しました(笑)」と苦労したことを明かした。
劇中のキスシーンについて韓国で『最もキスシーンが上手な俳優』と称されていると紹介するとパク・シフは「ありがとうございます。」と照れながら礼を述べ、「キスシーンは一人だけ上手でもダメですよね。やはり相手との息を合わせないと・・・今回は息がよく合ったと思います(笑)。」と答えると会場からは羨望の眼差しが注がれた。視聴者からの質問コーナーやドラマに関するクイズ、プレゼントなどで、更に盛り上がり、最後はファンと一緒に記念撮影も行なわれ、公開収録が終了した。
番組の公開収録後に主演の二人が再び登場し記者会見が行なわれた。
公開収録の番組観覧には約200名に対し応募総数8000と高い倍率、記者会見でも多くの報道陣が集まるという、ドラマそして二人の人気ぶりにパク・シフは「今日は本当に多くのファンの皆さん、そしてたくさんのマスコミの方に来て頂き、本当に嬉しく思います。この様子を拝見し、『王女の男』は必ずや大ヒットするという予感がしています。」と喜びと作品への自信をのぞかせた。
ムン・チェウォンも「このように日本で、たくさんの方が期待してくださり、韓国のドラマを愛し、そして関心を寄せて頂き、本当にありがとうございます。」と感謝の言葉を伝え、「この『王女の男』はこれまでの時代劇とは一味違った要素がたくさん詰まった作品なので、もっと、もっと、皆さんに知って頂けるように努力をしていきたいと思います。」とドラマをアピールした。
続いて、パク・シフは「僕が演じた“スンユ”という人物は前半は学業と武芸に秀でた、その両方を兼ね備えた完璧な朝鮮の男性で、非常に明るいキャラクターとして登場します。ところが、後半になりますと、ガラリと違った非常に対照的な姿が見られます。一人の人物でありながら色々な姿を見せられるところがこのドラマの魅力だと思います。」とドラマの見どころを紹介、「“前半のスンユの姿”が僕自身と似ているかな・・・。」と彼自身との共通点も明かした。
ムン・チェウォンも「“セリョン”とう役は朝鮮の王族ですが、“スンユ”という男性にめぐり合い、その愛を一生懸命に守ろうと情熱を見せる前向きな姿のキャラクターです。あの時代にはなかなかいない女性のキャラクターだと思います。」と述べ「私自身と似ているところですが、私は馬に乗ったりする趣味はないのですが・・・(笑)。」と報道陣の笑いを誘うお茶目な一面も披露し、「恋愛をすると一途にのめり込むタイプなのでその点が私の性格と似ていて、演技しやすかったです。」と語った。
共演したお互いの印象を「チェウォンさんとは後輩でもあり、妹のような感じで、親しかったです。以前お会いしたのは彼女が20歳ぐらいの時でしたが、6年ぶりの共演ということで、本当に美しい女性の姿で現れました。相手役がムン・チェウォンさんということで、僕自身も非常に感情移入がしやすかったです。」と話すパク・シフに「私もやはり先輩、後輩として以前から知っていましたので、とても気楽に撮影することができました。個人的ですが、パク・シフさんは時代劇が本当によく合う方だと思いました。『イルジメ(一枝梅)』に出演された時の衣装や髪型がピッタリだなと思っていたんですね。そんな矢先の共演でしたので、よい作品ができると期待していました。実際、パク・シフさんは様々なキャラクターを演じ分け、うまく消化していらっしゃいました。本当に私も息を合わせやすかったし、感謝しています。」とムン・チェウォンも賞賛、お互い息の合ったところを見せた。
初の時代劇『イルジメ(一枝梅)』では苦労が多かったというパク・シフは「やはり現代劇と違って大変でした。なんといっても時代劇は1日の移動距離がとても長いんですね。1日の移動距離が1000キロになったこともありました。夏と冬に撮影がありましたが夏に韓服を着ての撮影は非常に暑く、冬は冬でとても寒く・・・“次は時代劇はできないな”と思っていました。」と当時を振り返り、「そんな矢先『王女の男』の話を頂き、時代劇だと聞いて、“これは簡単なものではないな”と思い、あまり期待せずに台本を読んだところ、ストーリーがとても面白く、なにより若い男女のロマンスが非常に美しいと思いました。現代劇ではお見せできない自分の魅力も引き出し、視聴者やファンの皆さんにお見せできるのではないかと期待も膨らんできました。」とドラマ出演の経緯を述べた。
さらに「もともと旅行が好きなので、日程もスケジュールも大変でしたが、出来るだけ撮影を楽しもうと、ストレスをなくすために余裕を持って、撮影に臨みました。水や空気が綺麗なところに行って椅子を置いて休んだり、スッタフと一緒に焼肉したりして、“もしかすると自分は時代劇が合ってるのでは”と思うようになりました」と明かし、同作品が彼のターニングポイントになった事をうかがわせた。
歴史に残るクーデター「癸酉靖難(ケユジョンナン)」がドラマのモチーフとなっている同ドラマで韓国の歴史をどのように学び、演技に役立てたかを尋ねるとパク・シフは「僕自身、歴史に対して元々関心が高く、そして周りの人からも色々な話を聞いていましたが、首陽大君とキム・ジョンソを巡る家族同士の話だとは知らなかったんです。一般的な俗説的な話もたくさん聞き、首陽大君の娘と劇中では息子ですが、実際はキム・ジョンソの孫だったらしいです。その二人が逃げて一緒に暮らすという事を聞きました。というように撮影中も歴史に関心を持ちながら撮っていました。」と語った。
ムン・チェウォンは「このご質問は非常に難しい質問でもあり、非常に興味深い質問だと思います。質問して頂きましてありがとうございます。」と頭を下げ、「日本や韓国、あるいは時代に関係なしに、政権争いというのはいつ、どこにでもあると思います。このドラマの中でも大人同士の葛藤、つまり、首陽大君とキム・ジョンソの葛藤から始まり、その子息たちが本当に辛く、様々な想いの中、両親の葛藤に巻き込まれていきますよね。そういった歴史を見て本当に胸が痛む思いで撮影しました。このドラマは事実を基に、フィックションを加えて撮られています。つまり歴史が基盤になっているという点に於いて非常に興味深いドラマだと思います。そういった点を日本の皆さんにも共感して頂けると思います。」と感慨深く語った。ここで「お互いの演技に点数をつけるとしたら何点ですか?」とユニークな質問が飛び出すとパク・シフは「ハハハ」と声をあげて笑い、ムン・チェウォンは「何点満点ですか?」と尋ねる場面では報道陣からも笑いが起こり会場は和やかな雰囲気に。
「私が先にお話しましょうか」と気遣いを見せたムン・チェウォンは「そうですね。当然のことながら100点ですね。答えはそれしか思いつかないです。本当にベスト尽くしてよい作品を作ろうと努力をされているという、その点の点数が高いと思います。」と答えると、つかざす「ありがとうございます。」と日本語でお礼を言うパク・シフ。
一方のパク・シフも「やはり僕も初共演でしたが最初から最後まで本当に大変な撮影の中、まったく大変なそぶりを見せることなく、頑張っている姿が本当に微笑ましく、そういったことから僕も100点をあげたいと思います。」と賞賛すると「ありがとうございます。」とムン・チェウォンも日本語で感謝した。劇中では“朝鮮王朝版 ロミオとジュリエット”といわれる宿敵となってしまった二人の悲しくせつないラブストーリーを展開していく二人だが終始、笑顔を絶やさず、明るい雰囲気で行なわれた会見はドラマの魅力はもちろん、二人の人柄にも魅了されたものであった。
取材 photo kojima / report ogawa
*『王女の男』NHKBS プレミアムにて7月8日より毎週に日曜日 夜9時 スタート!
*「BSコンシェルジュ~韓国ドラマ『王女の男』特集~」
6月22日 午後0:20~0:43 NHK総合、同日、午後5:00~5:23BSプレミア
6月23日午後0:00~0:23 BS1
*特番『「王女の男」放送直前スペシャル』
6月24日午後9:00~BSプレミア