2011年の釜山国際映画祭のオープニング作品に選ばれ、チケットがわずか7秒で完売したという最短記録を樹立し、韓国で130万人を動員した話題作『ただ君だけ』。
6月30日からの日本全国上映に先立ち、6月7日(木)ジャパンプレミア(丸の内ピカデリー)の舞台挨拶に主演の韓国2大スター、ソ・ジソブとハン・ヒョジュが登壇した。
正統派ラブストーリーである同作品で、一途の愛を貫く男チョルミン役を務めたソ・ジソプと視力を失っていくジョンファ役のハン・ヒョジュが本編を観終わった観客と報道陣が待ち構える中、大きな拍手に迎えられ登場した。
ジソブは「皆さん今晩は。ソ・ジソブです。(劇場で)皆さんとお会いできてとても嬉しいです。映画を鑑賞した皆さんのお顔を拝見すると本当に良い顔をしているので、楽しく観て頂いたと感じ、とても幸せです。」と挨拶。
続いてヒョジュは「今晩は。ハン・ヒョジュです」と日本語で挨拶すると会場から温かい拍手が送られ、「本当に皆さんにお会いできて嬉しいです。『ただ君だけ』という映画を皆さんと一緒に迎えることができ、とても嬉しいですし、幸せです。」と最高の笑顔で語ると会場からは更に賞賛の拍手が送られた。
日本で初お披露目となったこの日、「楽しく観ていただけましたか?」とジソブが観客に呼びかけると「ネ~!(はい)」と韓国語で応える観客。
「今日がスタートということで、本当にドキドキして、緊張しています。皆さんに楽しく観て頂き本当に嬉しいです」とジソブがコメントすると、ヒョジュも「皆さん、まさに今、観終わったところですよね?皆さんのリアクションがすごく気になっていたのですが、涙を流した方はいらっしゃらなかったみたいですね(笑)」と話すと、会場からは「イッソヨ(いますよ)!」との声が。
その声に応えるように、「映画を楽しく観て頂いて、本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。
本作の出演についてヒョジュは「女優として、このような正統派ラブストーリーを是非やりたいと思っていました。私にとって、初めてのラブストーリーでしたので、それだけ大きな意味がありました。」と述べ、「初挑戦ということで本当にたくさんの思い出もありますが、映画の中でこんなにも純粋で深い愛を演じることができ、本当に嬉しく幸せです。」と感慨深く語った。
一方、ジソブも「美しく、心温まるラブストーリーをぜひ演じてみたいと思っていました。一人の女性を命がけで愛するチョルミンというキャラクターが気に入り、出演を決めました」と出演の決め手を明かした。
劇中、ジョンファ役のヒョジュに顔を触れられるシーンについてジソブは「私もやはりとてもドキドキしました(笑)。ヒョジュさんは目の見えない役なので、手が目のように、触れるので、“愛されているんだなぁ”と感じられ、とても幸せな気分でした(笑)。」と話すと、ヒョジュは「最初は演技にのめり込んで、あまりきれいな触れ方ができなくて、NGを出してしまいました。ジソブ先輩から“もう少しきれいに見えるように触って欲しい”とアドバイスを頂き、OKが出ました(笑)。」と撮影中のエピソードを披露し、会場の笑いを誘った。
最後に「皆さん、ぜひ映画、もう一度観てください。そして今、恋愛している方は、愛する人にベストを尽くしてください。(ジソブ)」「こんなにたくさんの方が観に来て下さり、本当にありがとうございます。どうぞ皆さん、たくさん恋愛をして下さい。そして幸せになって下さい。(ヒョジュ)」とそれぞれファンへメッセージを送り、ジャパンプレミアを終了。
2人はファンの歓声に最後まで手を振りながら会場を後にした。
またこの日、イベント前に都内のホテルで記者会見が行われた。
多くの報道陣に迎えられ登場したソ・ジソブは「今回『ただ君だけ』という映画を日本で公開することができ、非常に嬉しいです。このように素晴らしい映画を日本の皆さんにお見せすることができ、光栄に思います。」と丁寧に挨拶した。
Q共演したお互いの印象は?
ジソブ「ハン・ヒョジュさんと一緒に撮影するのは今回初めてでした。それまでテレビなどを通して拝見し、とてもはつらつとして可愛く、弾けるようなイメージだったのですが、実際に撮影現場でお会いしたところ演技に対していつも本当に慎重で俳優として悩んでいらっしゃった姿に驚かされました。ヒョジュ:先輩は画面からの印象よりずっと暖かく、余裕のある方で、撮影現場では私自身に欠けている部分を補い、私の気持ちを楽にしてくれる人です。」
Q劇中のときめいたシーンは?
ジソブ「チョルミンとジョンファが初めて出会った、駐車場のボックスの中ではないかと思います。そこから二人の恋愛が始まったので、一番ときめいた瞬間でした。ヒョジュ:多くのシーンがありますが川辺で石を探してもらい、そして初めてジョンファがチョルミンの手をとったシーンだと思います。そのシーンから二人の愛が始まったような気がしますので・・・・。」
Q一番印象に残っているセリフ、場面は?
ジソプ:「初めてジョンファに、告白するかのように語りかける“僕は30歳で以前ボクシングをしていて・・・”というセリフが、とても印象に残っています。記憶に残っているシーンは、事故に遭った後、ジョンファの姿を目に焼き付けるために見てから去っていくシーン。そして振り返りたいけど振り返ることができずに去っていくというシーンです。」「そのシーンを撮る際には充分に感情が移入されている状態だ
ったので自然に演技ができたのではと思います。」
Q撮影で一番大変だったことは?
ジソブ「僕の場合は、ボクシングの選手という役柄だったので、アクションシーンを準備することが肉体的には大変でしたが、それよりも、チョルミンがジョンファを愛するという恋愛感情をずっと維持しなければならないという精神面が一番大変でした。」
ヒョジュ「視覚障害を持った女性役を演じるということで、障害を持った人をどのように表現したらよいかを悩みました。ストーリーが進行するに連れて二人の愛情が深まり、その感情を表現しなければならないという部分とその感情を維持していくことが大変だったと思います。」
Q目の見えない役を演じ一番苦労したことは?
ヒョジュ「映画を観てくださる皆さんに“あの子目が見えるのに見えないフリをしているだけじゃないか”と思われてはいけないので、最初はたくさんのプレッシャーを背負っていました。ですから撮影が始まる前には、それに関連する映画やドキュメンタリーを観たり、あるいは実際にそういう方に会って、その方たちの生活を見ることによって、たくさんのことを感じましたし、また体験しようと努力しました。実際に撮影が始まってからは、どのように演技として表現していくのか、監督さんと相談しながら演じていましたが皆さん、ご覧になっていかがでしたか?」と問いかけると、会場からは「良かったですよ」と熱い拍手が贈られた。」
Q撮影中のエピソードや印象に残ったことは?
ジソブ「この映画は、美しくて温かいラブストーリーですが、実際撮影している時は胸が痛むようなシーンが多かったです。チョルミンとジョンファが幸せな時間を過ごしたのは短い時間でしたが、撮影現場では本当に笑いながら撮影をしていて、“幸せで楽しい姿”そんなところがそのまま映像の中でもよく表れていると思います。」
ヒョジュ「特に何か事件が起きたというわけではありませんでしたが、ソ・ジソブさんが言ったとおり、チョルミンとジョンファが本当に愛し合った姿を描いたように思いますので、二人が幸せな時期は私自身も幸せを感じながら撮影に臨んだと思います。」
Q役作の為に努力、工夫したことは?
ヒョジュ「視覚障害者の女性を演じると言うことで、どのように表現すれば良いかとても悩みました。実際に視覚障害を持った方たちにお会いしたり、色々なドラマやドキュメンタリー作品を観て勉強しました。またそういった方と会って食事をしたり、一緒にショッピングをしたりお話を伺ったりと、生活習慣を間近で拝見して準備をしました。撮影前は表現が足りないような感じがありましたが、実際に撮影が始まり、演技し始めるとこういう風にすれば良いだろうと、少しずつ表現に変化が出てきました。」
Q映画の中恋愛について
ジソブ「“恋愛”というのはとても美しい単語ですが、愛する為にはお互いに対する思いやりや、苦痛、犠牲が伴うことだと思います。そういったものが力になって“恋愛”というものをリードしてくれるのだと思います。」
ヒョジュ「映画のようなラブストーリーだと思います。実際にも十分にあり得る話だと思いますがこのように映画化されたということはそれだけ高貴な愛だからだと思いますし、多くの女性が一度は経験したい“憧れの恋愛”ではないかと思います。」
Q劇中、ジョンファ(ヒョジュ)に「アジョシ」と呼ばれているが、普段はどのように呼ばれている?
ジソブ「ハン・ヒョジュさんは僕に対して、映画の撮影をする前からも『アジョシ』と呼んでいましたし、撮影中も撮影が終わってからもずっと『アジョシ』と呼んでいました(笑)。今日、『先輩』と呼ばれましたが、本当に久しぶりです(笑)。『アジョシ』というのもひとつの愛称、ニックネームだと思います。僕自身それも悪くないと思います。本当に『おじさん』という意味で言っているわけではないので、『アジョシ』と言われることについて僕自身も気分が良かったです(笑)。)
フォトセッションではカメラマンから「アジョシ」と呼びかけられたジソブは笑顔でポーズをとり、笑いを誘う場面も見られるなど、会見は終始和やかな雰囲気の中で進行され丁寧に答える二人の姿が印象的だった。
*『ただ君だけ』6/30(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー!
配給:ポニーキャニオン/コムストック・グループ
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