昨年9月、3年ぶりとなるアルバム7集『チョウム』をリリースしているソン・シギョンが、2月18日(土)・19日(日)の2日間に渡り、東京国際フォーラム ホールCにてコンサートを開催した。
2000年のデビュー当時から、圧倒的な歌唱力と表現力、そのソフトな歌声で“バラードの貴公子”と称されているソン・シギョン。
今回日本では、「Sung Si kyung 2012 CONCERT IN JAPAN~チョウム(はじまり)~」と題し、日本公演用にアレンジした内容で行われた。 暗闇のオープニングステージから静かに登場したソン・シギョンに会場から拍手と歓喜の声。
1曲目の「처음/はじまり」をしっとりと歌い終えると「みなさんこんばんは。ソン・シギョンです。去年の7月のコンサート以来ですね、お元気でしたか?今日は二日目、昨日も来た方は?」と日本語で挨拶すると会場から手を挙げるファンが多く、それに対し「どうしましょう。なぜなら、昨日とコメントが変わりないんですよ」と会場のファンを笑わせた。
そして「でもちょっとだけ変えてはいます。例えば~ですねを~ですよねとか、次の曲を歌いますを、次の曲を聞いてくださいとか」と話すと、更に会場は笑いの渦となった。 2曲目「난 좋아/僕は大丈夫」では会場のファンのテンションも更にUP。歌い終えると、「年が変わりましたよね。みなさん、韓国では産まれたらすぐ1歳になるのは知ってますか?お腹にいるときから数えるので、韓国では歳の取り方が悔しいんですが・・・。
日本では僕は32歳です、歳は数字だといいますが数字が与える重みというのがあります、たまに夜になると眠れなかったり・・・。そんな時、僕の歌を聞いて癒されました。好きな人との別れの時、僕の歌を聴いていっぱい泣いたりしたと聞いたとき僕の歌も少しは役に立っているんだなと思いました」 と語ると会場から大拍手が起こった。
その思いが詰まっている「노래가 되어/歌になって」を歌い上げ、続いて「우리참 좋았는데/僕たち本当によかったのに」では映像のパク・ジョンヒョとのデュエットを披露し、一緒に歌っているかのごとく彼女を思って歌う感情移入が会場のファンを感動させた。
そして、5曲目の「선인장/サボテン」を歌い終え、ベージュのスーツに着替えて再登場したソン・シギョンは、「오나의 여신님/ああ僕の女神様」「Love letter/ラブレター」をスタンディングしたファンとともにノリノリで歌った。 続いて通訳との絶妙な掛け合いで会場は大盛り上がりとなって、ソン・シギョントークワールドに。
「すごく楽しみにしていて、みなさんにお会いできて嬉しいです。昨日は久しぶりに緊張してお腹が痛くて大変だったけど、今日は気も楽で歌もうまく歌えてみなさんとの雰囲気もいいですね。日本ではダイエットより、生ビールとラーメンですね。今回は二回のコンサートで、今日は二回目最後なので力を残さず頑張ります。」と話すと、会場から大きな拍手が沸き起こった。
続いて会場のファンからのアンケートに答え、3週間ダイエットして7kg痩せた話しから、今日の打ち上げは行かないですぐ寝ますと冗談を言うと、会場ファンからえーという声と笑い。
昨日コンビニでマネージャーがアイスやヨーグルト、菓子類を沢山買った事、日本の温泉は混浴が多いということ、日本人はオシャレで可愛い女の子、おばさまが多い、可愛いおばさまはいっぱいいらっしゃると会場を見渡し、大爆笑の連続で大いに盛り上がった。通訳とのユニークな掛け合いで、お笑いコンビのように会場ファンを笑わせ、会場のテンションも一気に上がったところで、「좋을텐데/いいのに」ではファンと一緒に歌い、「안녕 나의 사랑/さようなら僕の愛」をしっとりと歌いあげた。 ソン・シギョンの日本語ナレーション映像が流れた後、ソン・シギョンは黒のスーツと白いシャツに着替えて再び登場、一生懸命勉強したという日本の曲、一青窈の「ハナミズキ」を思いを込めて熱唱した。
美しい日本語の発音がそのままで、水を打ったように静まった客席にソン・シギョンの歌声が広がっていき、心に響いて感動して涙するファンも。また「그리운 친구에게/懐かしい友へ」を歌い、この歌は韓国公演では歌わなかった曲で、韓国語の歌詞もギター演奏も素晴しいのでぜひ日本のみなさんに紹介したかったと話した。「끝에/終わりに」は暗い曲で、実際に録音技師もそう感じたらしく、1人で聞いていたら怖くなって夜中の作業を中止して昼間に作業したというエピソードも紹介した。
15曲目のとなる「거리에서/みちで」では歌の途中でソン・シギョンが会場にマイクを向けるとファンも韓国語で歌い、更に盛り上がりを見せた。 続いて、スクリーンでデビュー11周年を迎えた映像が流れ、2000年から現在までを7集をひっさげて韓国全土でカムバック公演し「僕は走る」というタイトルで全ての場所で走っているソン・シギョンが流れた。
バラエティに富んだ映像で会場も笑いに誘われた。 ここで雰囲気を変え皮ジャン姿で颯爽とで登場。シン・スンフンの「처음 그 느낌처럼/はじめてのその気持ちのように」をダンサーとともにステージ端から端までを移動し踊りながら披露し、THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」では、予想外の選曲に会場のファンも大熱狂。
日本語の発音も素晴らしく、会場のテンションもピークに達した。 いよいよラスト曲となった「태양계/太陽系」を歌う前に「皆さんのいつも温かい思い、ありがとうございます。去年はアルバムとコンサートを中心に活動しましたが、今年は他の活動も色々企画中でまずは、バラエティ番組「一泊二日」にレギュラー出演します。
芸能人男性7名が旅に出るということでワクワクドキドキしています」と今後の活動についてのコメントをした。 全19曲を歌い終えて、会場からの拍手とアンコールで再度登場。
「こんなに楽しくコンサートができたのも皆さんのおかげです、ありがとうございます。軍隊に行く前に日本でも活動していたのに、軍隊に行ってしまって、でもまだ若いので(笑)、これからも長く長く歌を歌って、曲も書いて、ステージの上でみなさんにお会いできればなと思っています。この7集目のアルバムがチョウム、はじめというタイトルなんですが、はじめてのときから一緒にいてくれているスタッフのみなさん、バンドのみなさんとまたやれるように頑張っていきたいと思います。
今日、皆さんとお会いできて嬉しかったです。」そしてアンコール曲はデビュー曲の「내게 오는 길/僕にくる道」を熱く歌いあげコンサートは終了した。最後まで会場全員に手を振り、最後に投げキスをして、ファンに惜しまれながら舞台を降りたソン・シギョンではあるが別れを諦めきれないファンはまたもやソン・シギョンコールが続いた。
それに応え再登場し会場のファンに向かって丁寧に手を振り、最後のお別れをした。
音楽の質が高く、歌手としての真摯な姿やトークではユーモアのセンスもしっかりと見せてくれたソン・シギョン。また日本でもコンサートを開催されることを願いつつ、今後の活動にも大いに期待したい!
写真提供:©PROMAX