「取材レポ」Ryu&ZERO、あの名曲と美声、そして掛け合い漫才のようなトークでファンのハートわしづかみ!

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韓流歌手のBIG2、RyuとZEROが日本デビュー10周年を経て、3月5日(水)東京・メルパルク東京にて、ジョイントコンサート「"Ryu" "ZERO" SPECIAL~あなたを忘れない~」を開催した。

「冬のソナタ」(Ryu)「美しき日々」(ZERO)から生まれた代表的な韓流歌手の2人が、“感動の小さなオーケストラ”として韓流ファンにお馴染みのバラダンと共に贈る記念すべきステージが実現。

今回は、韓流歌手の先駆けともいえるRyuとZEROという夢のような顔合わせ。2人の初コラボとあって、この日、東京は朝からあいにくの雨模様で肌寒い天気だったが、熱心なファンたちが傘を差しながら開場前から長い列を作り、多くの観客が会場に足を運んだ。

フリーアナウンサー、Yumiの司会のもと、コンサートは2部構成で行われ、1部はRyuのソロステージからスタート。白のジャケットに黒のパンツという洗練された装いでRyuが登場すると、会場を埋め尽くしたファンは大きな拍手で迎え入れた。

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オープニングは、Ryuが日本と韓国が仲良くなればという願いを込めて作った曲だという「チング-友だち-」。軽快なリズムとストレートな歌詞が心地よく、観客は曲に合わせて手拍子をしながら一体となって盛り上がった。

「皆さん、こんにちは。ご無沙汰しております。今日はようこそいらっしゃいました。最後までごゆっくり、まったりと楽しんでください」と流暢な日本語であいさつしたRyu。以前、コンサートの日に雨が降ったというRyuは早速、この日の激しい雨は誰のせいなのかを客席に確認。「ZEROさんもそっち(雨男)ですか。よかったー。自分のせいだけじゃないよー」とホッとするお茶目な一面を見せた。

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自身のカバーアルバム「Love note」の中から、ジャズテイストにアレンジした「Over the rainbow」「Moon River」をシルキーボイスで熱唱したRyuは、「日本に来て10歳になりました」と振り返り、去年の夏のコンサートで、ファンを「おばさん」と言って怒られたというエピソードも披露。韓国では親しみのある相手に「おばさん」と言うが、日本では失礼に当たると指摘されたそうで、それでも「僕に愛情がないと、そういうことも言っていただけないから、怒られたのもうれしかったです。本当は“おばちゃん”って言いたいんですけど」とニッコリ。「今はそのようなを失言しても、(ファンが)かわいく思ってくださるんじゃないかな。私たちはお互いの文化をよく理解して、いつでも楽しく話し合える仲間になったと思います」と話すと、客席からは温かい拍手が起こった。

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「今日は雨ではなく、むしろ雪だったらよかったのに」と曲ふりをし、「なごり雪」をしっとり歌い上げたRyu。続いて、「冬のソナタ」の主題歌「最初から今まで」のイントロが流れると、待ってましたとばかりに大きな拍手が会場全体に湧き上がった。観客がRyuの甘くハスキーな歌声に酔いしれていると、そこにグレーのインナーに上下黒というロックな雰囲気のZEROが登場。さらに大歓声が起こり、2人の圧巻のハーモニーにファンはうっとりした表情で聴き入っていた。

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会場を感動に包んだ後は、軽妙なトークで客席を笑いに包むRyuとZERO。「私、雨男じゃないよ。私は雪男! この間の大雪の日、銀座でライブがあったんですよ。だから今日の雨はあなたのせい!」とハイテンションでまくしたてるZEROにRyuもタジタジ。マジメなRyuにやんちゃなZEROといった感じで、その後も2人の楽しい掛け合いが続いたが、「こんな名曲をデュエットできて、うれしいです。『冬のソナタ』のOSTの大ヒットで、私も日本で活動することができるようになったので、韓流歌手の先輩としてとても尊敬しています」としっかり先輩を立てるZERO。

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「Ryuさんの甘い歌声で、皆さんメロメロになったと思いますが、今度は僕の辛くてすっぱい歌声で皆さんをボロボロにしようと思います。盛り上がりましょう!」とZEROのソロステージへ。ダンスナンバー「Happy day!!」で弾けたステージを魅せ、会場を一気にZERO色に染めた。

ファンを花に例え、「Ryuさんのファンはカサブランカのような雰囲気。僕のファンは赤いバラのような…、みんなバラバラですね」とダジャレで会場を笑わせたZERO。その後も軽快なトークでファンを惹きつけた後は、バラード歌手らしく、日本の名曲カバーを収録したアルバム「美しき歌謡曲」の中から2曲を披露。「ラブ・イズ・オーヴァー」ではソウルフルな歌声を響かせ、「珍島物語」では歌詞の世界観を見事に表現し、客席を圧倒した。

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そして、「日本と韓国は文化交流が増えてきて、いい環境になったと思いますが、TVを見ると、政治的に心配なニュースもあります。見えないところでたくさんの仲間が楽しく過ごしているのに、メディアではなぜ良くないニュースばかり流れるのか、とても残念です」と真剣な表情で語り、「日本と韓国、もっと仲良くしていこう」という気持ちで作ったという曲「手をつないでみようよ」を熱唱。「必ず一つになれる日が来る」という歌詞が印象的なメッセージソングで、会場が一体感を増し、熱気も高まったところで1部が終了した。

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2部はZEROのソロステージから。白のベストに着替えたZEROは、「美しき日々」の挿入歌「For you」で幕を開けると、後ろや2階席にいてよく見えないファンのためにと、「これは作り話ではなく、よく言われることですよ」と強調し、「目はイ・ビョンホンさんに似ていると言われます。鼻はなんと木村拓哉さん。この優しい唇はペ・ヨンジュンさんだって」と自分の顔を説明。大笑いする客席に向かって「なんで皆さん笑うのか、意味が分からないです」とツッコミ、会場を笑いの渦に。さらに、「皆さんの笑顔を見たら、もっと笑わせようと勇気が出てきました」とモノマネも披露。美輪明宏の「愛の賛歌」スキャットバージョンを披露するも、会場は失笑!? 続いて、和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」では力強い伸びのある声がそっくりで、割れんばかりの拍手喝采が贈られた。

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再び、ドラマ挿入歌のバラード2曲が続き、「美しき日々」の「その日までさようなら」、「愛情の条件」の「さよなら愛する人」を切なく艶やかな美声と圧倒的な歌唱力で披露したZERO。「“さよなら”ばっかりですね。続いて歌う曲もGood bye。さよなら3パンチです」と笑いを取り、さらに「『冬のソナタ』も『美しき日々』も、なぜ男たちはキレイなチェ・ジウさんを泣かせるのか。もしかして、その三角関係の中に私が入ったら、チェ・ジウさんは間違いなく私を選択すると思いますけど(笑)。その可能性は?」と客席に問い掛け、客席はもちろん「ゼロー!」と声を揃え、会場全体がひとしきり大爆笑した後、ZEROは心の奥底までジーンと染みる美しいファルセットで「Good bye」を熱唱。その緩急のギャップがたまらない。

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ソロステージ最後の曲は、「美しき日々」の主題歌であり、ZEROにとってはファンとの懸け橋となった大きな存在の曲だという「約束」。曲の途中で、今度はRyuが登場。ファンは2人の珠玉のハーモニーを堪能し、感動のあまり涙を流す人もいた。

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今回2人で歌ってみた感想について、「この曲を一人で歌うと大変なんですけど、半分助けてもらったので、余裕を持って歌えました」というZEROに、「昨日、家で練習したんですが、この曲は息を吸う場所があんまりないんだよね」と難しい曲を歌いこなすZEROに尊敬の念を向けるRyu。すると、ZEROも「Ryuさんの曲も歌いやすい曲ではないです。感情の表現が大事なので、『最初から今まで』を歌ったときは、難しい曲だなと思いました」と話し、お互いをリスペクトした。

また、日本で10年活動してきたことについて、ZEROは「日本で第2の歌手人生がスタートできた」とファンに感謝し、Ryuも「もう歌手はダメかなと思っていたとき、日本でイベントをして、皆さんに歓迎していただき、新しい世界が開けました。これだけ長く皆さんに会えるとは想像もできなかったですが、改めて本当に感謝しています」と語り、ファンも拍手で応えた。

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最後はRyuのソロステージ。2009年に公開された映画「クジラ 極道の食卓」の主題歌で、人生を頑張る人に向けての応援歌「遅刻」を歌ったRyuは、最近池袋で開講している韓国料理講座の話へ。参加者やアシスタントから「先生」と呼ばれることが最初は恥ずかしかったが、今はだいぶ慣れたそうで、「シェフ生活をしていたのが、久しぶりにステージに立ったので、ボーッとしています」と話して会場を笑わせる一幕も。

続いて、東日本大震災で被災された方を応援したいという気持ちを込めて歌ったという「Love note」に収録された「Smile」、そして「冬のソナタ」の名曲「My Memory」を極上の甘く優しいボーカルで歌い上げ、大歓声を浴びた。

Ryuは近況として、韓国から遊びに来た友人に「寝言が激しい」と言われ、そう言われれば朝起きたら、あごや歯が痛いなと思っていたというプライベートな話から、自分の手掛けた曲をアイドルグループが歌うことになり、それが今月発売されるという仕事の話までファンに報告。

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ソロラストステージは、日本に対するイメージを表現している曲だという「たいせつ」を心を込めて熱唱。珠玉のバラードに観客も静かに酔いしれた。

アンコールで再び登場した2人は、ファンに最後のあいさつ。ZEROは「最高の一日でした。10年間いろいろなコンサートがありましたけれど、一番思い出に残るコンサートになったんじゃないかなと思います。皆さんからパワーをいただきました」と充実した様子を見せ、Ryuも「久しぶりにZEROさんと会って、ヘンな感じで過ごしましたが(笑)、皆さんに近況も報告できてスッキリしました」とユーモアあふれるあいさつで締めくくった。

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アンコール曲は、韓国の童謡「果樹園の道」。「このさわやかな曲で、穏やかな春をお迎えください」と語るRyuに対し、「服はロックっぽいんですけど、心をキレイにして童謡を歌います」と最後まで茶目っ気たっぷりなZERO。息ぴったりに歌った2人は最後、清々しい表情で抱き合い、客席に「ありがとうございました。またお会いしましょう」と一礼してステージを後にした。

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それぞれ異なる魅力で、1+1が2ではなく、3にも4にもなる相乗効果を発揮したRyuとZERO。聴く者の心を優しく包み込むような美しい歌声で観客を魅了し、MCでは、ZEROが「私たち、いつか漫才しましょうよ」と言うほど絶妙な掛け合いで観客を笑わせ、韓流歌手BIG2の名にふさわしい圧巻の公演だった。春の訪れを感じさせてくれる温かいひと時に、観客も笑顔で会場を後にした。

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取材Korepo(KOREAREPORT INC)

写真提供:(C)ハーモニー

 

Ryu OFFICIAL WEBSITE http://www.ryufan.com/

ZERO公式ファンクラブ http://www.zero-family.com/

2014.03.08