日韓の音楽シーンで、いつの間にかトップになっている「BIGBANG」。そのリーダーの「G-DRAGON」(GD)は色々な才能を持っている。アーティスト以外にも、プロデューサー、作曲家、コメディアンの才能までだ。しかし、ファンがまだ気づいていない彼のもう一つの姿がある。それは、「SNS戦略家」だ。
「SNS疲れ」が社会現象となって現れ始めている今、「Twitter(ツイッター)は時間の無駄だ」、「Facebook(フェイスブック)中毒は人生を壊す」などと、従来のSNS文化に疑問を投げかける声も聞こえてくるようになった。
事実、世界各国では「世界と繋がれる」SNSサービスから、「LINE(ライン)」や「WhatsApp(ワッツアップ)」、「WeChat(ウィーチャット)」などといったクローズド型メッセージングサービスに移行する人たちも増えているようだ。
また、「Instagram(インスタグラム)」や「Tumblr(タンブラー)」のように既存のSNSサービスとの差別化に成功し、急速に普及したものもある。
年々多種多様化しているこれらのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)だが、とくに、日々のマーケティングやイメージ戦略が大事とされる芸能界では、必須アイテムとして重宝がられている。
もちろんK-POP界においても、ビジュアルに自身のあるアイドルを中心に多くのアーティストたちがSNSを活用している。中でも圧倒的な存在感を放っているのが「BIGBANG」の「G-DRAGON」だ。
「Twitter」のフォロワーは約260万人、「Instagram」は215万人以上のフォロワー数を誇っていて、中にはPharrell Williams、RIHANNA、Lily Allen、THOM BROWNEといった欧米の有名アーティストやデザイナーも含まれている。
「G-DRAGON」という名前が欧米で広く知られている訳ではないが、ミーハーな海外セレブたちの間では、「要注目アジアン」としてチェックされていることは間違いないだろう。
このような、世界における自分の立ち位置を誰よりも的確に把握し、SNSの媒体としての利便性を自身の芸能活動にもいち早く取り入れてきたのだ。
世界ツアーの度に、積極的に動きまわっては著名人たちとの人脈確保にも労力を惜しまない彼の姿がSNS発の情報からも予実に表れている。
例えば、シャネルの元主席デザイナーKarl LagerfeldやRick Owensなどの著名人とのツーショットを何気ないひと言を添えてさらっと流したり、有名人からのプレゼントや差し入れなども自身のファッションにマッチングさせる形で違和感なく公開したりする。
もともとファッションの感覚に優れている彼だからこそできる技でもあるが、そのセルフプロデュース能力だけは認めざるをえない。
一方、彼がSNS上でプライベートの話をすることはほとんどなく、ファン(一般人)との距離感を常に調整することで「海外のセルブにも負けないアジアン」という無国籍感をほどよく演出している。
多忙なスケジュールの中でも、ニューヨークの有名ブランドのファッションウィークやパリの「Haute Couture」関連イベントに参加したり、トレンディーな大規模クラブイベントなどにも顔を出したりする。
そして、その場のキーマンと挨拶を交わし、セルフ写メや動画として残していくのだ。
これらのビジュアル的なデジタルコンテンが彼の得意とするキャッチなエレクトロニクス系サウンドをさらに引き立たせてくれることを彼自身が一番よく知っているのかもしれない。
得意分野である音楽とファッションを軸に、イベント事や海外セレブとの人脈を調味料にしてさらに自分の領域を高めていく「G-DRAGON」。
どこまでを「戦略」として意識しているのかは分からないが、彼の芸能活動が「グローバルなエンタメサイクル」として順調に回っていることは確かだ。
もし、デビュー当初からこの一連のイメージ管理を狙ってやっているとしたなら、クォン・ジヨン(「G-DRAGON」の本名)はまさに天才的な「SNS戦略家」と言えよう。