トップアイドルの「少女時代」と「2NE1」が直接対決の局面に向かっている今、歌番組の“大トリ”の問題が発生している。
多数の有名アーティストが出演する音楽フェスティバルや年末の歌番組などでは、“大トリ”を誰が務めるかに世間の注目が集まる。日本でも「サザンオールスターズ」や「SMAP」、北島三郎など、各ジャンルを代表する大御所たちが熱いステージのフィナーレを飾ってきた。
韓国では、この「大トリ」という概念が一般層にはあまり浸透していないが、業界内では日本同様、大事なセッティング作業の1つになっている。
実質の国営放送のKBSの他、民放のMBC、SBSを含む3社の地上波テレビ局が存在する韓国。近年のK-POPブームの中、各社ではアイドル中心の音楽ランキング番組の製作に注力するようになった。その内、SBSの音楽ランキング番組である「人気歌謡」の今週末、9日の放送分に「少女時代」と「2NE1」が同時に出演する
K-POP界を代表するガールズグループ「少女時代」と「2NE1」のニュー・アルバムのリリース時期が重なり、各局は彼女たちのキャスティングに血眼になっているので、上述の“大トリ”問題が浮上する。通常、年齢差で上下関係が決まることも多い韓国社会では、“大トリ”の決定にも、ネームバリューだけでなく芸歴の長さや年齢で総合的に判断することが一般的だ。
しかし、「少女時代」と「2NE1」は、ネームバリューや、芸歴や、年齢までもあまり差がないため、同番組の製作陣は“大トリ”の決定に頭を悩まされているわけだ。音楽フェスでも年末特番でもないので、一見「どうでもいい問題」に見えるかもしれないが、その裏には、各々の所属事務所である「SM」と「YG」の「ブライド対決」という側面もあり、彼らの所属アーティストを頻繁に出演させている局側としては簡単には決められない問題になっている「SM」には「東方神起」が、「YG」には「BIGBANG」がいることから、どちらもプライドを傷つけてしまったら、大変な結果になる。
今回、「少女時代」と「2NE1」のカムバック新曲のリリース後、1週間以上たった今、両ガールズグループの大戦結果に注目が集まりつつあるのだ。3月9日に両者が生出演するSBS 「人気歌謡」は、まさにその集大成になると思われる。業界関係者はもちろん、視聴者に対しても、ここで“大トリ”を決めたチームがビックマッチの勝者として認識される可能性すらある。
なお、同番組の担当PDは、「ステージの順番はまだ決めていない。製作陣とさらに会議をしてから決める計画だ。両グループとも韓国の大手事務所を代表する人気ガールズグループなのでトリの決定にも慎重になっている。」と打ち明けた。続けて、「これは非常にセンシティブな問題なので順番が決まったとしても番組放送前に発表することはないと考えている。」とコメントした。
しかし、現在の雰囲気から今回の“大トリ”を予測することは可能だ。「少女時代」は5日、 エンタメの専門チャンネルMnetの音楽ランキング番組である 「M! Countdown」にて、カムバックステージを既に披露している。一方、「2NE1」は9日のSBS「人気歌謡」がカムバック後の初テレビ出演になるので、番組側としての“大トリ”は初出しの「2NE1」に決める可能性が高い。
現在、音楽配信の成績では「2NE1」の「Come Back Home」が先行しており、パフォーマンスの面では、「少女時代」の「Mr.Mr.」がお得意のミュージックビデオで「2NE1」に優っている状況。
果たして、ワールドクラスの美脚をもつ「少女時代」か、それともオンリーワンの個性をもつ「2NE1」か。今、K-POP本拠地ではまれに見るビックマッチの後半戦がヒートアップしている。