JYJキム・ジュンスの、キム・ジュンスのための、キム・ジュンスによる「ドリアングレイ」

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アイドルグループのメンバーとしてデビューして、ソロアーティストを越えて「信じてみる」ミュージカル俳優に成長した人物がここにいる。JYJのメンバーであるキム・ジュンスが主人公だ。今まで「ドラキュラ」、「デスノート」、「ディセンバー:終わらない歌」、「エリザベート」、「モーツァルト!」、「天国の涙」を通じて独特な名声を得た彼が、このたび選択した作品は「ドリアングレイ」だ。

「ドリアングレイ」は、オスカーワイルドの長編小説「ドリアングレイの肖像」を新しく脚色した創作ミュージカルだ。イギリスの貴族青年ドリアングレイが、永遠な美しさに対する欲望のために自身の肖像画と魂を取り替えて起る悲劇を扱った作品だ。
3日に開幕したこの作品は、まさにキム・ジュンスの、キム・ジュンスのための、キム・ジュンスによるミュージカルだ。世の中で一番美しい男であり、究極の欲望を持つ青年ドリアンをキム・ジュンスは、まるで自分の服を着たように自然に演じている。舞台でのドリアンは、キム・ジュンスそのものだった。

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◆ キム・ジュンスだから可能な高音とダンス

「ドリアングレイ」の特徴は、重たいストーリーを俳優の強烈なパフォーマンスで表現し、高次元の視覚的な効果を貫いたという点だ。これは、ある面演出のテクニックだ。アイドル出身のキム・ジュンスが、タイトルロールを担当しただけに、モダンダンスをはじめとした高難度の群舞が舞台を掌握する。

爆発するような高音もやはりキム・ジュンスの担当だ。開幕前のプレビュー公演で、「ドリアングレイ」のナンバーに対して好評が溢れた。キム・ジュンスの深く訴えるような歌声と絶叫するようなパワーにあふれる高音が、劇が持つ重厚さをいっそう強調する。堕落していくドリアンの変化に合わせて徐々に荒々しくなるキム・ジュンスの歌は、観客に深い余韻を残す。
吹き荒れるようなダンスと感性によって変化していく唱法は、観客が退屈するひまを与えない。 ここにチェコのロケで撮影した実写映像が俳優のライブの演技とかみ合って新鮮な雰囲気を与える。キム・ジュンスの哀切なミュージックビデオを見るような美しい映像も絶品だ。(2ページに続く)

2016.09.07