シン・スンフン「2010 The Shin Seung Hun SHOW in Japan -20th Anniversary-」

 

“バラードの皇帝”ことシン・スンフンが、約1年振りとなる日本ツアー「2010 The Shin Seung Hun SHOW in Japan -20th Anniversary-」を、大阪公演に続き東京国際フォーラムAにて行われた。

東京公演2daysの初日は生憎の雨模様であったが、開演数時間前からオフィシャルグッズを求め沢山のファンが長蛇の列をなしていた。

シン・スンフン

18時5分、暗転ともに鐘の音が鳴り、1990年から2010までを振り返る映像がスクリーンに流れ始め、既に会場はペンライトの青い光で埋め尽くされていた。

ギターを持ったシン・スンフンがシルエットに映し出されると歓声は既に最高潮に。

シルエットのまま「Hey」を歌い始め、更に白い幕が降りて薄いブルーのジャケットに白のシャツとパンツに身を包んだシン・スンフンが登場し「Everybody Stand Up Please !」と声をかけると、会場は一瞬のうちに総立ちになった。

「Song For You ~僕を泣かせないで」「I Believe」を歌い、会場からは“シン・スンフン”コールが巻き起こった。 「シン・スンフンです。お久しぶりです。お元気ですが?皆さんに会いたかったです。」の挨拶に続いて、「三年前、国際フォーラムでコンサートをした時を思い出します。その時応援して下さった姿、僕の初キスの思い出のように、その時の記憶が生々しいです。えっ?僕の初キスですか?もうすごかったですね~」で会場は笑いの渦に巻き込まれた。

「今日も三年前のように一生懸命歌いますので、皆さんも楽しんで下さい。」とファンに呼びかけた。 日本語で一生懸命話すシン・スンフンだが、ここからは通訳のチャンさんが登場。シン・スンフンとチャンさんと掛け合いも彼のコンサートの楽しみの一つでもある。

20年間を振り返って「20周年で良かったことは150曲の子供のような音楽ができたということと、トロフィーを700位貰ったということ。」「悪かったことは音楽だけだったので未だに結婚ができないこと、家では親不孝と言われている。」と絶妙なトークで会場を沸かせた。

二部構成で行われる今回のコンサート、ここからは20年間の楽曲を五つに分けて披露した。まずはメジャーコードのバラードで、彼が21歳の時に初めて作った曲「今日のようにこんな窓の外がいい」から「長い別れの後」「Lady」」を熱唱した。

次は得意のマイナーコードのバラード、歌う時の振り付けを「常に45度の角度」と顔を斜めに上げ実演し会場を笑わせ、「服の色も明るいとダメ」とジャケットも着替え、「君を愛しているから」「愛していても別れられるなら」を歌いあげた。

そしてOST、韓国でも披露したことがないという「愛はこんな風に来るようで」(ドラマ「テロワール」)「僕より少しだけ高いところに君がいるだけ」(映画「連理の枝」)「君だけのための愛」(ドラマ「秘密」)を、スクリーンに映し出された映像とともに披露した。 ダンサーが登場しR&Bと続く。

3月3日に発売になったミニコンセプトアルバム「LOVE O’CLOCK」より「そうだったらいいのに」から「Hey Girl」「緑」を歌うと、最後は苦手(!)のダンスパート。

体はついていけないが心はマイケルジャクソンとジョークを飛ばし、「ロミオ&ジュリエット」「偶然に」「Lovin’g you」「すれ違った誤解」「失敗」を踊りながら立て続けに歌うと会場はダンスホールと化した。

ここでいったん幕が下り、スクリーンに20年間を振り返ったインタビュー映像が流れ、「最初のレコーディングは風呂場でやった」などのエピソードが語られ、ファンもこの20年間の重みを感じる場となったことだろう。

シン・スンフン  シン・スンフン

二部は、黒のスーツに着替えたシン・スンフンがアコースティックギターを手に「LOVE LOVE LOVE」歌った。そして「LOVE O’CLOCK」に収録されている「サランチ」について語り始めた。「サラン」は愛で「チ」は音痴の「痴」という意味、愛に不器用と言う歌だと言って「サランチ」を熱唱した。この歌を歌うと昔の彼女を思い出すと言う。サランチの主人公はその時の彼女で、その彼女が一番好きだったという「OVER THE RAINBOW」を、「今日は皆さんを永遠のファンにするために全精力を込めて歌います。」と言って、今日はファンのために歌いあげた。

暗転してから自転車で出かけている設定で再び登場し、「オンマヤ」で会場はスンフンワールドと最高潮に。「初めて日本に来た時に皆さんに友達になってくださいと言いましたが、これからは言葉だけの友達ではなく辛い時に肩を貸してあげられたり癒しになれるような友達になりたいなと思います。」と語り、ファンと一緒に「ファインティング!」と叫んだ。 「空近く」「伝説の中の誰かのように」を歌い終わると自然と会場からはシン・スンフンコールが起こった。

心で歌うので、皆さんも心で聞いて下さいと「二度別れること」「行ってしまうのか」「こんな私を」を、バラードの皇帝の名の通り歌いあげるシン・スンフンに、会場はスタンディングオベーションで称えると、シン・スンフンも感極まって涙ぐむという一幕も。

最後に「音楽しかしらないバカみたいな20年でしたが幸せでした。また音楽しかしらないバカみたいな20年を生きていこうと思います。みなさんも一緒に歩んでくれたら幸せです。」「日本ではデビュー5年目の歌手です。これから15年後に本当の20周年のコンサートを日本で是非やりたいです。」「錆びて消えていくよりは、すり減ってでも歌手として残りたい」とファンにメッセージを伝えると「you raise me up」を歌い始めた。するとスクリーンにファンへの感謝の言葉が映し出され、それにファンは再びスタンディングオベーションで応え、鳴りやまぬ拍手の中幕が下りた。

シン・スンフンアンコールで「LOVE of IRIS」(ドラマ「アイリス」)のイントロが流れると、会場からは悲鳴のような歓声が沸き、スクリーンにはドラマの映像が流れ魅了された。ラストは楽しい曲で終わりたいと「飛上」を全員で大合唱、3時間を超す20周年記念コンサートは幕を閉じた。

シン・スンフン

2010.03.16