ヨニングンに扮したヨ・ジング(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
同時間帯に放送される月火ドラマとして激しく視聴率を争っているのが、KBSの『町の弁護士チョ・ドゥルホ』、MBCの『モンスター』、SBSの『テバク』である。『テバク』は5月3日に放送された第12話で、全24話のうちの半分が終わった。視聴率の結果はどうだったのか。
久しぶりの9%台
パク・シニャンが主演する『町の弁護士チョ・ドゥルホ』は、前回の第11話は前々回の第10話より視聴率を大きく1.6%も落としてしまった。その反動があったのか、第12話では0.8ポイント戻して11.8%を記録した。3つのドラマの中での1位を堅守した形になった。
カン・ジファンが主演する『モンスター』も、前回の第11話に関しては、その前の第10話より0.7ポイント下がって7.5%の視聴率だった。今回の第12話では、それより0.9%上げて8.4%を獲得した。再び視聴率を8%台に戻したのである。
一番気になるのは『テバク』だ。5月2日に放送された第11話では、他の2つのドラマが大きく視聴率を落とす中で、『テバク』だけは平行線だった。実質上の視聴率アップに相当する8.9%だったのである。
それが第12話ではどうなったか。
『テバク』は視聴率を0.3%上げて9.2%になった。第7話(4月18日放送)の9.1%に引き続いて、ひさしぶりに視聴率を9%に乗せたのである。
これぞ「兄弟愛」
視聴率を9%台に復帰させた『テバク』は、来週の放送で2ケタの10%台に乗せることも十分に可能だ。
その根拠は、チャン・グンソクが演じるテギルとヨ・ジングが扮するヨニングン(後の英祖〔ヨンジョ〕)の兄弟愛がドラマの枠を超えて大きく注目されているからだ。
テギルは王子として生まれながら、秘かに捨てられて苦難の中で育つという設定である。一方、弟のヨニングンは王子として王宮の中で何不自由なく育ったが、母親の出自が低いことで強いコンプレックスを抱いている。世子(セジャ/王の正式な後継者)となっている異母兄の景宗(キョンジョン)とも何かと葛藤している。
このように、テギルとヨニングンは辛い境遇に置かれているのだが、さらに2人を苦しめているのが李麟佐(イ・インジャ/ベテラン俳優のチョン・グァンリョルが扮している)の存在だった。
後に大々的な反乱を起こす李麟佐は、ドラマの中でもテギルとヨニングンの兄弟にとって最大の宿敵になっている。
第12話では、テギルとヨニングンが李麟佐を打倒することで意気投合した。今後、ストーリーが大きく動いてますます面白くなりそうだ。
子役出身の2人の俳優
『テバク』は後半に入るが、見どころはどんな点だろうか。
なんといっても、テギルとヨニングンが力を合わせて共通の敵の李麟佐をどう追い詰めていくかというところだ。
そうした場面に大きな期待を寄せられるのは、テギルを演じるチャン・グンソクと、ヨニングンに扮するヨ・ジングがとても息の合った演技を見せているからだ。
放送前の制作発表会でチャン・グンソクはヨ・ジングのことを「恐ろしい俳優です」と称していた。それは最大のほめ言葉に違いない。
同じく子役からスタートした2人。チャン・グンソクは子役が大人の俳優になるときの難しさをよく知っている。だからこそ、チャン・グンソクは励ます意味もあって、後輩にあたるヨ・ジングを最大級に褒め讃えたのであろう。
気心が知れている2人の演技は、きっと『テバク』を上昇気流に乗せることだろう。『テバク』の制作陣もヨ・ジングをこう評価している。
「ヨ・ジングの堅実で安定した演技が光っています。若いときの英祖を扱った作品は多くないのですが、ヨ・ジングは完全なキャラクター分析を通して、作品をうまく導いています。俳優ヨ・ジングだからこそ、ヨニングンをうまく演じているとも言えるでしょう」
いよいよドラマはテギルとヨニングンという兄弟が李麟佐に闘いを挑んでいく後半だ。来週からの放送が本当に楽しみだ。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ
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