テギルが矢を向けている相手は誰なのか(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
4月11日の午後10時から韓国SBSで『テバク』の第5話が放送される。同時間帯ドラマでKBS『町の弁護士チョ・ドゥルホ』と視聴率のトップを争っている『テバク』。展開が大きく動く第5話で、果たしてトップを奪い取ることができるか。チャン・グンソクの鬼気迫る演技に期待したい。
若者中心となったストーリー
3月28日に一斉に始まった地上波3局の同時間帯ドラマ。チャン・グンソク主演の『テバク』は第1話からトップを走っていたが、4月5日に放送された第4話でKBSの『町の弁護士チョ・ドゥルホ』に首位を奪われてしまった。
このときの放送は、『町の弁護士チョ・ドゥルホ』が11.3%で、『テバク』は9.5%だった。1.8ポイントの差をつけられて2位となった『テバク』。ここから挽回しなければならない。
そのためには何が必要なのか。
第4話からは、ストーリーの主要部分が若者たちに移ってきていた。
それまでは、チョン・グァンリョルやチェ・ミンスといった本格派のベテラン俳優が物語を動かしていたが、第4話からは、テギルを演じるチャン・グンソク、英祖(ヨンジョ)に扮したヨ・ジング、タムソ役のイム・ジヨンがドラマの主要キャストとして前面に出てきた。
若いエネルギーの華やかさは出たが、その分、物語が浮ついてしまった点もあった。そのあたりを視聴者はどう見たのか。視聴率が下がった原因を考えれば、若者中心になってストーリーがやや説得力を欠いた面は否めなかった。
しかし、第5話からは明らかに変わる。予告編を見ると、チャン・グンソクの演技がそれまでと違っている。
テギルの生死を左右する男
(テギルの人生を左右する李麟佐写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
ただのお調子者の若者にすぎなかったテギルが、父親の死を境にして鬼のように変身する。
彼は、なにがなんでも父親の復讐を果たさなければならない。
同時に、自分の出生にまつわる真実を見つけなければならない。
テギルは、世間を知らない若者のままでいるわけにはいかないのだ。何よりも、彼には変身を遂げる必要性があった。
その際、鍵を握る人物がチョン・グァンリョルの演じる李麟佐(イ・インジャ)だった。この李麟佐は、第1話の冒頭でチャン・グンソクが扮するテギルと厳しく対峙した。
その場面はわずか数分だったが、緊迫した場面は2人が宿敵同士であることを暗示していた。
実際、李麟佐はテギルの出生とその後の人生に決定的な役割を果たした人物である。彼はテギルの母である淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏を粛宗(スクチョン)のもとに送り出し、テギルが生まれてからは、その生死を左右するほどに大きな影響力を及ぼしてきた。言ってみれば、テギルの運命は李麟佐の手の中に握られていた、と言っても過言ではなかったのだ。
それほどに大きな存在だった李麟佐。テギルは、彼にどう立ち向かっていこうとするのか。
緊迫した場面でどう演技するか
2人の関係がドラマを大きく動かしている(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
父親の復讐を誓ったテギルは、それまでの自分を反省し、鬼のような形相で目の前の敵に立ち向かっていく。
何よりも、力を見せつけなければならなかった。そのためなら手段を選ばない。イカサマ師として天性の素質を開花させ、必要とあれば宮中にしのびこんで出自に関わる真実をあぶりだそうとする。
しかし、テギルの行く手には、常に李麟佐が立ちふさがる。この男を倒さなければ、テギルに未来はない。
このあたりの展開には本当にワクワクさせられる。しかも、緊迫した場面になったときのチャン・グンソクの演技に魅了される。
制作発表会で語ったように「今までの自分を捨てて、新しいものを身につける」という覚悟が備わっている。
弓を宿敵に向けるときの目の凄味がいい。あるいは、踏みつぶされたときの「絶対に負けない」という反骨心がいい。この気持ちこそが、同時間帯ドラマで視聴率のトップを奪い返す原動力になるのだ。
ドラマは視聴率だけで評価されるものではない。しかし、数字を取れなければ、どんなドラマも成功を勝ち取ることはできない。
チャン・グンソクが『町の弁護士チョ・ドゥルホ』からトップを奪い返すことができるのかどうか。第5話というのは、全24話の5番目の話にすぎないが、早くも正念場を迎えたことは間違いない。
(文=「ロコレ」編集部)
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