「コラム」イ・ミンホ 新世界を見つけたスター

K1-4

現在の韓国芸能界はまさに戦国時代だ。1人のスターが独走するのではなく、多数のスターが個性を競い合いながら、ファンを魅了している。その中でも、イ・ミンホが着実な人気を得ている。

何よりも、韓国で俳優は単純な芸能人ではなく、羨望の対象だ。モデル、ミュージシャン、タレントなど他の芸能界の人たちとは違って、自立した芸術としての価値を認められている。

そして、多くの人が俳優になるために挑戦するが、成功するのはごくわずかだ。その中でチャンスをしっかりモノにしたのがイ・ミンホだった。

彼は、高校時代から俳優になることを決心し、芸能事務所を訪ねた。そして、演技トレーニングと適切な進路指導を受けた。

2006年にドラマ『秘密の校庭』でデビューし、ドラマ『走れサバ』(サバとは高校生を指す俗語)、『アイ・アム・セム』、映画『カン・チョルジュン 公共の敵1ー1』などに出演した。

確かに主役ではなかったが、デビュー以来たえず多くの作品に出演できたのは、彼が早くから所属事務所を通じて演技活動をしていたからだ。そして、『花より男子~Boys Over Flowers』で大ブレークした。

初めて『花より男子』のキャスティングが発表されたとき、他の出演者に比べて認知度が高くなかったイ・ミンホについて、懐疑的な視聴者もいた。実際、初回の放送直後、彼は様々な批判に耐えなければならなかった。

しかし、放送2回目で、彼に向けられていた批判はおさまり、以降は好感度が高くなった。時々見せる子供のような無邪気さは、彼を可愛くも感じさせた。一見シンプルなキャラクターに見えるが、その中で微妙に変化していくイ・ミンホの姿を見て、魅了される女性ファンも増えた。

こうしたことが起こったのは、イ・ミンホに繊細な演技力があったおかげだ。

K1-1

最初から疑いの目で見ている視聴者というのは、俳優を好意的に評価しようとするより、どうしても悪い点を見つけようとする。そんな視聴者の心を一瞬に虜にしたことだけで、イ・ミンホの演技力は十分立証されたといえるだろう。

彼が先輩たちに比べて若いなりに安定的な演技力を手に入れたのは、早く自分の道を定めて邁進してきたからだ。

出演作品の選定も先輩たちとは違った。

多くの先輩俳優たちはドラマと映画を分けて、ドラマで実力を身につけてから、映画に進出する順序を守ってきた。しかし、イ・ミンホの場合は、2006年にデビューしてから、ドラマだけではなく何本もの映画にも出演している。

若いにもかかわらず、安定した演技力と柔軟な作品選択を見せたイ・ミンホ。彼は、先輩たちが敷いてきたレールをただ追うのではなく、自分だけの道を探し出して歩んできたのだ。

『花より男子』でスターダムに上がり、以後も『シンイ-信義-』や『相続者たち』といった話題作に主演してスター街道を驀進してきた。周囲に言われるままに動くのではなく、自分が求めているものを得るために必要な技量を磨いて感覚を養ってきた賜物だ。

俳優が自ら常に変化しようと努力する姿は、ファンにとってこれ以上ないほど頼もしい。イ・ミンホが新世界を見つけたなら、ファンは関心と期待をもって彼の変化と成長を追い続けるだろう。

しかも、彼はイメージや演技だけではなく、自分自身をファンにアピールする能力が高い。そこに、人気が持続している理由があるのだ。

今年は兵役に入ると予想されているが、それまで思う存分の活躍をしてほしい。

(文=「ロコレ」編集部)

コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

2016.04.02