連日のように送別会が開かれる
今年は韓流スターの兵役入りが非常に多い。昨年も多かったのだが、今年はそれ以上である。いくら兵役を延期しても29歳がリミットであり、今年はたまたまその年齢に該当する韓流スターが多いのだ。それだけに、兵役に対するファンの関心も高まっている。
今回は、兵役入りする韓流スターが入隊時にどんなことを心掛ければいいのかを解説していこう。
兵役の実務を担当する兵務庁から入隊の通知がきたら、その入隊日に向けて準備を進めていく。陸軍であれば21カ月も一般社会から離れるので、その間に仕事上の不都合が起きないように整理しておくことが肝心だ。
同時に、入隊が近くなると、連日のように送別会が開かれる。韓国では、すでに兵役を終えた先輩が入隊予定者を餞別がわりに風俗店に連れていくのが伝統になっている。しかし、韓流スターはつつしんで辞退しなければならない。それがスターたる者の定めなのである。
ひととおり送別会が終われば入隊となるが、かならずしなければならないのが髪を短くすることだ。一応、頭髪を3センチ以下のスポーツ刈りにする決まりになっている。東方神起のチャンミンの場合は、入隊前日にバリカンで髪を切っていた。その模様はネットの動画を通してファンにも伝えられた。
また、入隊当日はしっかりと両親に挨拶をしなければならない。「チョル」と言われる韓国式のお辞儀をして、両親にしばしの別れの挨拶をする。それから、家族や友人と一緒に入隊場所に向かうのである。
陸軍の場合、新兵訓練所は合計で24カ所ある。一番大きいのは韓国中部の論山(ノンサン)にある陸軍訓練所。ここに入隊する人が圧倒的に多いが、その他に、102補充隊と新兵教育師団(22カ所)がある。
陸軍訓練所に入隊する場合、入所式は毎週月曜日の午後から行なわれることがほとんどだ。よって、月曜日の昼に入隊するのが一般的である。
携帯電話は持ち込めない
入隊するときは誰もが私服である。入隊後に体育着や軍服の支給を受けるわけで、着てきた私服は後に宅配便で自宅に送られることになっている。軍隊に入る以上、地味な服装で訓練所に来るのが一番無難だろう。
一番注意するのは、携帯電話が持ち込めないということだ。これは厳禁である。ウッカリも許されない。携帯電話はしっかり自宅に置いてこなければならないのだ。
さらに、パソコン、カメラ、貴重品、指輪、ネックレス、酒、タバコも持ち込みが禁止されている。飲食物もダメだ。つまり、必要な書類以外は手ぶらで入隊するしかないのである。
やはり、一番つらいのは携帯電話を持てないことだろう。現代の若者にとって、携帯電話がない生活は考えられない。しかし、軍隊だけは別だ。そこは、通信機器をいっさい持てない世界なのだ。不便だが、慣れるしかない。
入隊日の午後に訓練所の練兵場で入所式があるが、この式は両親や友人も観覧することができる。しかし、そこまでである。整列した新兵たちは入所式が終われば、そのまま兵舎に連れていかれる。
観覧席ではハンカチで涙をぬぐう両親や恋人の姿があちこちで見られる。今生の別れではないが、両親や恋人としては涙が止まらないのである。
新兵も後ろ髪を引かれるが、センチメンタルになっているわけにはいかない。いよいよ厳しい軍人生活が始まるのだ。
しっかりと気持ちを切り換えることが大事。もう社会とは隔離されているのである。訓練と孤独に耐える生活が始まるだけに、覚悟を決める必要がある。
後戻りはできない。自分を信じて21カ月の軍務に励んでいこう!
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)
コラム提供:ロコレ
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