「コラム」(連載)第7回チャン・グンソク/『テバク』に至る長い道

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第7回 才能あふれるエンタティナー

 

まさに韓流のエース

チャン・グンソクが、『ラブレイン』の日本での地上波初放送に合わせて来日してファンの前で挨拶したのは、2012年7月24日だった。そのときは、共演のユナ(少女時代)と一緒に、東京のフジテレビマルチシアターのステージに立ったのである。

チャン・グンソクは人気俳優らしく堂々としていて、ファンを爆笑させるサービス精神もたっぷりだった。

思えば、韓流が日本で最高潮に盛り上がっているときだ。その中心にいたのは、間違いなくチャン・グンソクである。

彼の人気は凄まじく、韓流雑誌も彼の記事を大きく載せると売れ行きが違った。まさにエースの働きだった。

しかし、翌月には当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(トクト/日本では竹島と呼ばれる)に上陸して、日韓関係が悪化し始めた。それにつれて、韓流ブームにも翳りが見えるようになった。

とはいえ、チャン・グンソクは変わらずに情熱的だった。『ラブレイン』の以後は歌手としての活動に重きを置いて、アジアツアーで最高のパフォーマンスを披露していた。

そのアジアツアーの締めくくりとなったのが、さいたまスーパーアリーナでの3日間開催だった。それは、2012年11月26日、27日、29日のことだ。

このときのチャン・グンソクは、アジアツアーのファイナルらしく、アンコールを含めて全19曲を熱唱し、トークでもファンを大いに楽しませてくれた。

 

EIJ_1085冴えわたるトーク

さいたまスーパーアリーナのステージをここで再現してみよう。

チャン・グンソクは、孔雀の羽をつけた鮮やかな帽子に上下紫の衣装を身にまとい、颯爽とステージに登場した。途端に、ファンは総立ちで大歓声を上げた。

オープニング曲を歌い終えると、チャン・グンソクは、会場を埋め尽くしたファンに、「ウナギたちのために作ったマジックワールド。俺がいるここは、マジックワールド・イン・さいたま。ようこそみんな!」と挨拶した。

さらに、曲の合間のトークも冴えわたる。

「今回のアジアツアーは7月からスタートして、ソウル、中国、台湾、日本と回ってきました。夏に始めて、冬に終わります。そして、このファイナルステージが終了すると、私の伝説は全部終わるんです(拍手)。去年のアリーナツアーは、名古屋、大阪、埼玉と5回公演でした。みなさんのためにいろんな準備をし、企画して、練習しました。去年は埼玉での公演のときは、ホテルに戻って栄養ドリンクや薬を飲んでいたし、体調もよくなかったんです。とにかくハードなスケジュールで、アリーナツアーが終わって、東京ドームまでやっちゃったんです(拍手)。今日も最後までがんばります!」

曲を披露しながら、チャン・グンソクは今の心境をこう語った。

「1年前のアリーナツアーで、『人気はバブルみたいだと思います』と言っていたことがありますよね。自分の人気より、自分のやりたいことやしたいことを探していたほうが、完全にチャン・グンソクらしいと思います。前のバレンタイン・デーのときに、ウナギたちと一緒にパーティーをしたことがあったんです。そのときみたいに時間が流れて、おじいちゃんやおばあちゃんになってもバレンタイン・デーにチョコレートや飴をあげて、関係を作りたかったんだけど、できるかな?」

こう問われて、もちろんファンたちは、声をそろえて「できるー!」と絶叫した。

その声がこだまして会場に響きわたる。チャン・グンソクの幸せそうな表情が忘れられない。

 


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チャン・グンソクとファンの気持ちが一つになった

エネルギッシュなライブ活動

チャン・グンソクはどのステージでも笑いのツボをはずさない。

たとえば、「前に1人でカラオケに行ったときでも、自分の歌しか歌わないんですよ」と言って大爆笑を誘っていた。

このアジアツアーのファイナルとなったステージを、チャン・グンソクは次の言葉で締めくくった。

「毎回、気持ちは全然違います。客席も雰囲気も違うからどうすればみんなが満足できるか、いつも考えていました。今日はアジアツアーの最後となるファイナルステージなので、2012年最後の舞台をみんなと美しい記憶にするためにがんばってきました(拍手)。本当に来てくれてありがとうございます。来年は、もっといい舞台を作ります。待っていてください」

ラスト曲に入るとき、ファンからのサプライズがあった。会場に入るときに渡された風船をみんなが手に持ち、チャン・グンソクの歌に合わせてペンライトと一緒に振り続けたのだ。まさに、チャン・グンソクとファンの心が一つになった瞬間だった。

2013年になると、チャン・グンソクはダンスミュージックユニット「TEAM H」を組んで、公演で日本各地をまわった。エンタティナーとしての彼の活動は本当にエネルギッシュだった。

(文=「ロコレ」編集部)

コラム提供:ロコレ
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2016.03.27