テギル役に意欲を燃やすチャン・グンソクは劇中でも髭を付けない(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
3月28日から韓国SBSで放送が始まる『テバク』。チャン・グンソクの主演と、ヨ・ジング、イム・ジヨン、チェ・ミンス、チョン・グァンリョルという豪華共演陣が話題を呼んでいる。
このドラマでチャン・グンソクが演じるのは、王子として生まれながら捨てられて最下層の身分に落ちたテギル。彼はイカサマ師となって、弟にあたる朝鮮王朝21代王・英祖(ヨンジョ)と国家を賭けた大勝負を展開する。
なんともスケールが大きなドラマだが、テギルに扮するチャン・グンソクは劇中で髭を付けないことが明らかになった。
当初はテギルが髭を生やす案も検討されたのだが、やはりチャン・グンソクは髭がないほうがいいという結論に達したのである。
この点に関して、ナム・グォン監督はこう述べている。
「本来なら時代劇で男性は髭を付けるものです。けれど、チャン・グンソク氏まで髭を付けると、ドラマが男性的になりすぎるんです。なにしろ、テギルはラブロマンスの主人公です。しかも、みなさんが持っているチャン・グンソク氏のイメージと髭が合わないようにも思えます」
ナム・グォン監督の指摘は理解できる。端正な顔だちのチャン・グンソクに髭は必要ない、と考える視聴者も多いことだろう。
そうなると、共演のヨ・ジングはどうなるのか。彼もまだ10代。髭がないほうがスッキリしていると思えるのだが……。
しかし、ヨ・ジングの場合は髭を付けないというわけにはいかない。なぜなら、彼が国王の英祖を演じるからである。
国王に髭がない、というのは史実のうえでもありえない。そこで、国王になるまでの演技でヨ・ジングは髭を付けないが、国王になってからは威厳を保つために髭を付けるということになるのだろう。
そもそも、朝鮮王朝時代に男性がこぞって髭を生やしていたのは、当時の国教だった儒教が影響している。儒教では親孝行が最高の徳目。その関連でいうと、親からもらった身体を傷つけるのは親不孝という考え方が朝鮮王朝時代には根強くあり、髭も人体の一部と考えて男性は髭をそらなかったのである。
当然ながら、朝鮮王朝時代を描いた時代劇では、登場する男性はこぞって髭を生やしている。
しかし、チャン・グンソクが演じるテギルだけは別格というわけだ。やはり、髭を生やした彼の姿をなかなかイメージできないのも確かだろう。
『テバク』に出演する男優はチョン・グンリョルを初めとして髭を付けているが……(写真/韓国SBS『テバク』公式サイトより)
(文=康 熙奉)
コラム提供:愛してる韓国ドラマ・Kポップ
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