
ソウル・カンナム(江南)区サムソン(三成)洞は、「富」と「ビジネス」の中心地として知られる。華やかな都心でありながら、大通りから街区の内側へ入ると、落ち着いた閑静な住環境が広がる。交通や生活インフラ、セキュリティーに優れ、長年にわたって芸能人や政財界関係者が暮らしてきた。
その中心にあるのが、高級複合マンション「ブラウンストーン・レジェンド(Brownstone Legend)」だ。2009年に完成し、当時のトップスターたちが相次いで住居に選んだことで知られている。
■全54戸、分譲価格は当時約2億4000万円から
ブラウンストーン・レジェンドは、イス建設が手掛けた全54戸の高級複合マンション。供給面積212~365平方メートルの6タイプで構成され、地下5階、地上20階建て。地下鉄7号線カンナム区庁駅から徒歩1分という好立地にある。
2009年当時、最も小さい212平方メートルタイプの分譲価格は約20億5300万ウォン(約2億4000万円)、365平方メートルのペントハウスは35億ウォン(約4億1000万円)に達した。坪当たりでは約3100万ウォン(約360万円)だった。
同じ時期、アックジョン(狎鴎亭)洞の現代アパート82平方メートルが約13億ウォン(約1億5000万円)、三成洞ヒルステート84平方メートルが11億5000万ウォン(約1億3000万円)で取引されていたことを考えると、ブラウンストーン・レジェンドの分譲価格がいかに高かったかが分かる。
当時も三成洞アイパークやトゴク(道谷)洞タワーパレスなど、地域を代表する高級マンションがあった。それでもトップスターたちがブラウンストーン・レジェンドを選んだ理由の一つは、わずか54戸という希少性と、プライバシーを守りやすい住環境だった。
無人電子警備や遠隔検針、地下駐車場のインターホンなどを備え、駐車場から各住戸へ緊急事態を直接知らせることもできるようにした。
小規模なマンションながら、共用施設は大規模物件に劣らない。フィットネスセンターやゴルフ練習場、小規模なコンサートを開けるイベントホール、音楽や映画を楽しめるAVルーム、楽器や歌の練習ができる個人レッスン室などが用意されている。
駐車場は218台分を備え、1戸当たり4台以上を駐車できる計算だ。
交通の利便性も大きな強みとなっている。カンナム(江南)駅やヨクサム(駅三)駅、サムソン(三成)駅などの人通りが多いビジネス地区からは少し離れているが、カンナム区庁駅近くの大通り沿いにあり、車で移動しやすい。
オリンピック大路やヨンドン(永東)大橋、チョンダム(清潭)大橋を通じてソウル各地へ移動しやすく、現代百貨店やギャラリア百貨店、COEX、貿易センターなどの商業施設も近い。
室内には天然大理石の床や螺鈿(らでん)細工のパネル、輸入素材を使用したシューズボックスなど、高級素材が採用された。
パーティーや親睦会を開く機会が多い入居者を考慮し、リビングとキッチンは開放的に設計。広い浴室には、浴室用電話やテレビ、ジェットバスなども備えられている。

■イ・ヒョリの新婚宅をパク・ギュリが購入
ブラウンストーン・レジェンドは、歌手イ・ヒョリやイ・スンギが分譲を受けた物件としても有名だ。
イ・ヒョリは2009年5月、8階にある219平方メートルタイプの入居権を購入し、2017年まで居住した。チェジュ(済州)島へ移るまで、夫イ・サンスンとの新婚生活を送った家とみられている。
裁判所の登記によると、イ・ヒョリは2017年、この物件を「KARA」のパク・ギュリに21億ウォン(約2億4000万円)で売却した。
パク・ギュリは2021年までの4年間所有し、約8億ウォン(約9300万円)の値上がり益を得て、29億ウォン(約3億4000万円)で売却した。
イ・スンギは同マンションを分譲で購入し、現在も所有していると伝えられている。
俳優キム・ウビンも2015年5月、同マンションの一室を19億3500万ウォン(約2億3000万円)で購入した。その後、約2年間自ら居住し、2017年7月には保証金17億ウォン(約2億円)で元「BIGBANG」のV.Iに貸し出した。キム・ウビンは、その約2年後に物件を売却したとされる。
女優シン・セギョンも2022年から2025年まで、約27億ウォン(約3億1000万円)の賃貸保証金を支払い、同マンションに居住していた。
■現在の売り出し価格は最高約8億4000万円
多数の著名人が居住してきたことで実取引価格も上昇したが、他地域の高級マンションと比べると、価格上昇は比較的抑えられてきた。
三成洞一帯が長期間にわたって土地取引許可区域に指定され、取引量が制限されていたためだ。ブラウンストーン・レジェンドも、購入後2年間の実居住義務が課されたことで、賃貸契約を引き継いで購入する投機的な資金の流入が事実上遮断され、取引件数が減少した。
国土交通部の実取引価格公開システムによると、専有面積169平方メートルタイプは、2019年10月に記録した27億7000万ウォン(約3億2000万円)が最高値となっている。
201平方メートルタイプは2022年4月に33億4000万ウォン(約3億9000万円)で売却されて以降、取引がない。204平方メートルタイプも2025年3月、直接取引で51億ウォン(約5億9000万円)を記録して以降、新たな取引は確認されていない。
219平方メートルタイプで最後に確認された取引価格は44億ウォン(約5億1000万円)。238平方メートルタイプは、2018年1月に記録した25億5000万ウォン(約3億円)が最後の取引となっている。
一方、現在売りに出されている219平方メートルタイプの希望価格は、階数によって62億9000万~72億ウォン(約7億3000万~8億4000万円)に達する。
築年数が経過しているため、室内を改装した住戸ほど希望価格が高い。坪当たりでは1億ウォン(約1200万円)に迫る水準だ。
■三成洞の大型開発で将来価値にも期待
近年は、チョンダム(清潭)洞の「PH129」や「エテルノ清潭」など新しい超高級マンションが相次いで登場し、ブラウンストーン・レジェンドのかつての圧倒的な存在感は薄れつつある。
それでも専門家は、三成洞一帯には独自の将来価値があると評価している。
周辺では、ヨンドンデロ(永東大路)複合乗換センターや、現代自動車グループのグローバルビジネスコンプレックス(GBC)などの大型開発が進められている。工事が完成すれば、三成洞は韓国を代表する交通とビジネスの拠点へ、さらに発展するとみられている。
新しい高級マンションの建設が続く一方、カンナム圏の中心部では、専有面積200平方メートルを超える大型住戸の新規供給が限られている。そのため、優れた立地と広い住戸を備えたブラウンストーン・レジェンドの希少性も、さらに高まる可能性がある。
教育環境も強みの一つだ。韓国有数の教育エリアとして知られるテチ(大峙)洞に近く、学習塾街へは車で約10分。カンナム8学群に属し、周辺にはハクトン(鶴洞)小学校、オンブク(彦北)中学校、オンジュ(彦州)中学校、チンソン(真善)女子中学校などがある。
高校の学区内には、キョンギ(京畿)高校やヨンドン(永東)高校、チンソン(真善)女子高校などの伝統校が含まれている。
近隣の不動産仲介業者は「清潭洞の『PH129』や『エテルノ清潭』など、富裕層向けの最新物件が漢江の眺望を武器に100億ウォン(約11億6000万円)に迫る圧倒的な価格を形成している一方、ブラウンストーン・レジェンドには、静かで安定した都心型の実居住用マンションという長所がある」と説明した。
WOW!Korea提供






