韓国で最も高額なオフィステルとしては、ソウル・ソンパ(松坡)区シンチョン(新川)洞のロッテワールドタワー内「シグニエルレジデンス」が挙げられる。2023年末には専有面積150平方メートルが57億7000万ウォン(約5億7000万円)、225平方メートルが86億5000万ウォン(約8億6000万円)で取引された。
しかしロッテワールドタワー竣工以前、韓国で“最高級オフィステル”として名を馳せていたのが、この「ピエンポルス」だ。2004年に分譲された同物件は、単一棟・全92世帯(23階建て)で構成され、チョンダム交差点とハクトン交差点の間という“カンナム最中心”の立地を誇る。
周辺にはチョンダム小・中・高校やオンブク小学校などの学区が形成されており、スイン・ブンダン線アックジョンロデオ駅と地下鉄7号線チョンダム駅が徒歩圏内。アックジョン・ギャラリア百貨店へは車で5分、シンサ(新沙)洞カロスキルやトサン公園も近接するなど、生活利便性の高さも際立つ。
分譲当時、坪(約3.3平方メートル)あたり2300万ウォンを超える破格の価格設定にもかかわらず問い合わせが殺到。ホテル式のエントランスサービス、徹底したセキュリティシステム、最高級インテリアなどが話題を呼び、プールやスパ「テンプルム」、フィットネスセンターなど会員制施設も備えられた。室内には米サブゼロ製冷蔵庫やドイツ製グリルなど高級家電が導入されている。
築20年以上が経過した現在も価格は高水準を維持している。国土交通部の実取引価格公開システムによると、2023年5月には専有面積88平方メートルが26億ウォン(約2億6000万円)、93平方メートルが29億5000万ウォン(約2億9000万円)で取引された。さらに大型の195平方メートルは2024年8月に74億ウォン(約7億4000万円)まで上昇した。

現在の売り出し価格はさらに高く、89平方メートルが28億ウォン(約2億8000万円)、133平方メートルが70億ウォン(約7億円)に達している。約2年前に74億ウォンで取引された195平方メートルの物件は、現在95億ウォン(約9億5000万円)で売りに出されている。
アパート人気に押され“オフィステルディスカウント”が指摘される中でも、その価値は揺らいでいない。
同物件は“芸能人オフィステル”としても名を馳せてきた。歌手エリックやタク・ジェフンが所有していたほか、ハン・ヒョジュも居住していたとされる。さらに2024年末にはキム・ソンリョンが138平方メートルの住戸を41億ウォン(約4億1000万円)で購入し、当時の最高額を更新した。
また、イ・スマン元SMエンタテインメント総括プロデューサーは、133平方メートルの住戸2戸を2006年から保有し、2022年にそれぞれ30億ウォン(約3億円)で売却。2戸合計で少なくとも約30億ウォン(約3億円)の差益を得たとみられている。
そして現在、この高級オフィステルに「aespa」GISELLEが居住中とされる点が、今回の注目を集める最大の理由だ。月額賃料は195平方メートルで保証金2億ウォン(約2000万円)・月1900万ウォン(約190万円)、138平方メートルで保証金5億ウォン(約5000万円)・月1000万ウォン(約100万円)、93平方メートルで保証金1億ウォン(約1000万円)・月700万ウォン(約70万円)と、高額帯で推移している。
近年、ソウルではオフィステル需要が再び高まっている。アパート規制の影響で代替物件として注目されており、2024年1~3月期のソウルのオフィステル賃貸価格は上昇。特に高級物件は希少性の高さから、資産家の主要な投資先として位置づけられている。
一方で、高額賃料に伴う空室リスクも指摘される。需要は堅調な一方で、価格が過度に上昇した場合、期待収益を下回る可能性もあると専門家は分析している。








