音楽というものは人間にとって非常に大きな存在であって、人間の人々のいつもそばに寄り添ってくれる友達のようなものだと思っています。私たちは常に音楽を通して感動を味わっていますよね。そして音楽を聴くという行為は自分の体を移動させてどこか遠くに行かなくても身近に聴けるものですよね。そんなふうにして音楽は日常の幸せの機能の一つだと思っています。ですので、音楽が存在してくれていて、幸せだな、よかったなとちょうど思っていた矢先だったのですが、 この原作小説を改めて読んで、映画の中でも音楽をたくさん表現したいと思いました。 そして、観客の方にとっては、大きな画面で、そしてスピーカーを通してその音楽に浸ってほしい、 そして映画の中に流れる音楽を鑑賞してほしいという気持ちで作りました。音楽というものが長所になる映画を作りたいという気持ちもあったんですね。ですので、なおさらこの映画においてはクラシック音楽というものは非常に大切なものでした。
Q.ご自身が特に気に入っているシーンはありますか?
撮影前に、映画に出てくる家を全部作り直したんですが、窓も全面窓ガラスに取り替えることにしました。そしてカーテンにもこだわりました。大きな窓でカーテンが少しずつ開いていくということは、男性主人公が心をそんなふうに少しずつ開いているということに例えられると思ったからです。そしてその窓に佇む彼の後ろ姿をカーテンと窓と一緒に見せたいと思って、家も全部手入れをし直して作り変えることになりました。そしてシーンとしては、ペ・スビンさん演じるジュヌがキム・ジヨンさん演じるヨンヒを訪ねていて、ヨンヒのことを慰めているときにお互い抱き合うんですけれども、あそこで少し2人の間にラブの感情が見えたというふうに思います。でも撮るときにはお互い見つめ合うというところで留めました。あのシーンは実はかなり長い時間撮ったんですけれど、編集の段階ではあのぐらいにしておきました。 確か原作の小説にはお互い愛し合っている2人がキスをするというシーンもあったと思うのですが、私としてはこれくらい見せれば十分だし、客の皆さんには2人の気持ちは感じてもらえると思っていました。 あのシーンというのはあからさまに表現しているわけではないんですが、2人の愛の気持ちを表現した非常に印象的なシーンになりましたので気に入っています。
Q.本作を特にどんな方に届けたいですか?
この映画の中には中年の主人公が登場するのですが、 映画の中でも触れられているように人生の暑い夏が過ぎて、季節が変わって中年になり、そして人生に疲れている人たち、そして心に傷を抱えている人たちがいらっしゃったとしたら、肩の力を抜いて気楽な気持ちでこの作品を見て、ヒーリング・癒しになってくれたらいいなと思っています。もう一つは、劇中にも出てきますが、今、会いたくても会えない恋しい人というのは誰にでもいると思うんですね。例えば、亡くなってしまった両親だったり、それからもう今は会えない知人などもいると思います。そんなふうに心の中に虚しさを感じている人たちにとっても、これが癒しになればと思います。韓国でもそういう方たちが見てくださって、たくさんのリアクションを見せてくれました。そんなふうにして皆さんにとって癒しになってくれたら嬉しいと思っています。
あわせてユン・ソクホ監督より到着した動画メッセージでは、「こんにちは。『夏の終わりのクラシック』の監督、ユン・ソクホです。 この映画は美しい映像と音楽に加えて、人の心の温もりを描いたヒーリング映画です。日本の皆さん、ぜひ映画館でご覧ください。 ありがとうございました」と呼びかけた。
もう一度恋をするなら……そんな共感とともに癒され、静かな感動と余韻に包まれる珠玉の愛の物語『夏の終わりのクラシック』は10月3日(金)よりシネ・リーブル池袋他全国順次公開。
撮影:キム・ヒョング『殺人の追憶』『夜の浜辺でひとり』
音楽:イ・ジス『オールド・ボーイ』『建築学概論』
原作:伊吹有喜『風待ちのひと』(ポプラ文庫)
出演:キム・ジヨン『EXIT』『シングル・イン・ソウル』、ペ・スビン「天使の誘惑」「優雅な友達」
2024年/韓国/韓国語/115分/HDサイズ/5.1ch/カラー/
原題:여름이 끝날 무렵의 라트라비아타/英題:Adagio/日本語字幕:根本理恵
提供:KDDI 配給:日活/KDDI
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公式サイト:https://aisansen.com/natsunoowari/
公式X: @ Kcinema_2025
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