会場の熱気が一気に高まる中、日本の観客に向けて監督は「 お会いできてうれしいです」と挨拶。続けてヒョンビンは「こんにちは(日本語で)。久しぶりに皆さんと映画館でお会いできて嬉しいです。今日が皆さんにとって良い思い出になれば嬉しいです」と待ち望んでいたファンに喜びを伝え、続けてリリーも「平日の昼間にたくさん集まっていただきありがとうございます。すごくダイナミックで素晴らしい映画です。久しぶりにヒョンビンさんも日本に来てくれたので、皆さん楽しんでください」と挨拶し、大きな拍手で迎えられた。
監督は本作に取り組んだきっかけを「元々アン・ジュングンに常に関心がありました。韓国では彼についてのコンテンツがたくさんあり、書店でその自叙伝を読んだら、今まで知らなかった人間的な苦悩を抱えていた人物だとわかりました。その中には日本軍の捕虜を助けたなど、知らない部分がたくさんあり、好奇心を持つようになりました。なぜ彼がハルビンへ行って大きなことを果たそうとしたのか、また彼の同志への想いを描きたいと思いこの作品を作りました」と明かした。
ヒョンビンとリリーは出演を決めたきっかけを聞かれると「(ヒョンビン)韓国ではアン・ジュングンの存在感はとても大きいです。しかし彼も一人の人間として多くの感情を抱えていたので、それらを映画を通して見せたいと考えました。そして監督が伝えたいことにすごく誠意を感じました。彼は常に『意味のある映画を作ろう』と仰ってくれたから、一緒に作品を撮りたいと出演を決めました」「(リリー)最初に脚本をいただいたときに素晴らしいと思いました。また監督の大ファンで長編作品をほとんど観ていました。そしてヒョンビンさんの作品もほとんど観ていました。なので僕に限らず、皆さんもこのオファーを受けたら断らないはずです」と冗談を交えつつ、二人への想いを明かした。
本作の見どころの一つである映像美。そのためにモンゴル・ラトビアといった海外ロケも敢行されたが、雪原や砂漠といった大自然の中での撮影は過酷だったのでしょうか?という質問に対してリリーは「氷の上とかすごくない?」とヒョンビンに話を振ると「この映画の撮影前に監督から宣戦布告がありました。当時は国を回復するために苦労をする人が多くいたから、私たちはカメラの前で簡単に撮影してはいけない。だから俳優・スタッフに覚悟を持つようにと事前に伝えられました。実際の撮影中は、つらいという気持ちよりもこの時代はこのようなことを考えていたんだろうと演技の上で助けになりました」と過酷な現場がむしろプラスになったと語る。
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