「暴君」出演のキム・ソンホ…沈黙の力を感じるようになった

 

「台本に、ずっと疲れてやつれた姿で書かれていた。極限に追い込まれたと思って、楽に見えてはいけない気がしてダイエットを始めた。運動と食事制限で6~7kgほど減量した。実際に疲れて見える日は目の下にメイクをしないだけでよかった。

何よりキム・ソンホはいつもと違ってキャラクターの内面に重点を置いた。これには勇気がいったが、パク・フンジョン監督と先輩チャ・スンウォン、キム・ガンウが助けてくれた。


「普通、頭の中でセリフをどう言おうかなどを想像するが、今回は内面にもっと重点を置くべきだと思った。いつも外に表出するキャラクターを演じていたのに、内面に重点を置くのは怖くもあった。ベストは尽くすが、失敗したらどうしようという恐怖もあった。それでも俳優は立ち止まることができないので勇気を出したし、監督や先輩たちがいてくれて助かった。

続いて「これまでがテンポよく進めていくキャラクターだったら、今回はむしろ僕が中心となり、周りの人物がスピード感を出してスムーズにできるように助ける役割だと思った。僕がテンポよくやってしまったら軽く見える気がした。舞台をやってもここまで変えてみようと努力したことはなかったが、みんなが応援してくれたら悪くないかもと自信が持てた」と語り、「本来は家に帰る道すがら後悔するスタイルだったけど『暴君』の時はそれが減ったようだ」と振り返った。

ドラマ「スタートアップ」、「海街チャチャチャ」などでは甘いマスクで女心を揺さぶったキム・ソンホは「貴公子」、「暴君」を通じてノワールジャンルでも光を放った。更に以前、次も一緒に仕事をしたい俳優になるという目標をパク・フンジョン監督を通じて成し遂げた。それにもかかわらず、この夢を抱き続けていきたいと打ち明けた。

「俳優が言葉を口にする瞬間よりも沈黙の瞬間に力があると感じるようになったのがノワールジャンルだと思う。突然止まる瞬間が、どれだけ重みを感じるかということを知った。沈黙という会話、演技もこれから勉強して実力を上げていかねばと思った。その目標が今でもいい。今でも撮影が上手くいかなくて神経質になる時、その目標が僕を落ち着かせる。演技だけでなく、態度においても僕の些細な言葉で現場が良くなるならそれも俳優として大切なことじゃないかなと思う。たまに揺らぐことはあるだろうが、その目標を思い出して最善を尽くすと思うし、ずっとそうだと思う(笑)」

 

WOW!Korea提供

2024.08.26