ドラマ業界、不況を破るために総力...プラットフォームを変え海外で先行公開

ドラマ市場が不況を経て、多様な変化を試みている。新シーズンを制作するが、他のプラットフォームと契約を締結するもの、韓国国内のドラマを海外で先行公開するなど、多様な試みで危機を打破する方法を模索中だ。制作会社関係者のA氏は、「現在ドラマ業界では編成を受けられない作品が数十編に達する」とし、「撮影しておいても公開ができないドラマが多いが、いつ編成されるかもわからないので、各自の方法を取っている」と話した。

[Wavve貢献作もNetflix行き]

韓国のOTT(オンライン動画サービス)Wavveの貢献作である「弱いヒーロー」は、Netflixでシーズン2を制作する。「弱いヒーロー」は上位1%の模範生ヨン・シウン(パク・ジフン扮)が初めて友人になったスホ(チェ・ヒョンウク扮)、ボムソク(ホン・ギョン扮)と一緒に多くの暴力に立ち向かう過程を描いたアクション成長ドラマだ。学校内外の暴力を立体的に扱い、口コミで2023アジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワードでベストOTTオリジナル賞を授賞するなど好評を得た。

ヒットと作品性を掴み、シーズン2制作に対する関心も高かった状況だ。しかしWavveと議論が長引きシーズン2制作に摩擦が生まれた。Wavveは2022年1217億ウォン(約120億円)の営業損失を記録し、制作費の規模が大きなドラマと映画よりもバラエティーや時事教育部門に集中してきた。またTVINGとの合併を準備しており、大規模な資本が必要なシーズン2制作は負担である。結局、ドラマ「弱いヒーロー」のシーズン2は資本力の大きなNetflixと制作することとなった。Wavveの立場ではヒットが保証されたIP(知的財産権)を手放すのは簡単ではなかったが、作品のために一歩引きこのような決定を下した様子だ。

[韓国国内での編成ができず、海外で先行公開の事例も登場]

Wavveの制作縮小が見せるように、現在韓国国内ドラマ制作市場の状況が良くない。巨大な資本力を持つグローバルOTTが韓国でその座を築き、K-コンテンツ熱風の光を見たのもしばらく、制作費が急増する副作用が生じた。TVプログラムに対する大衆の関心も落ち、放送局に集中していた広告費もオンラインなどに分散され関連業界の困難が続いている。

制作費は大きくなるが、他の収益が追い付かず、各プラットフォーム戸放送局ではドラマ制作・編成を減らしている。このせいでドラマの好況期にすでに事前制作されたドラマたちは行き場をなくした。韓国ドラマ制作社協会によると、2022年OTTと放送局を通じて公開された作品は141編だったが、2023年は123編、2024年は100~110編に留まると推測される。どんどん編成を受ける作品が少なくなっている。

このような状況で自救策として行われるのが海外先行公開だ。HBエンターテインメントが制作したドラマ「私の男はキューピッド」は、自分で打ったキューピッドの矢に当たり、恋に落ちてしまった妖精とその恋に絡まってしまった女性の物語を扱ったロマンスドラマで、俳優チャン・ドンユン、ナナ(元AfterSchool)が出演し期待を集めていた。韓国国内での編成を受けられず、AmazonPrimevideoを通じて昨年12月1日に先行公開したが、3か月が過ぎた現在も韓国国内での編成は決まっていない状況だ。

このような場合も、運のいい事例だということが業界の声だ。先述のA氏は「ローカルOTTも国内編成された作品を基に契約しようとしている」とし、「検証された作品であれば契約できるということ」と話した。この関係者は「このような理由で最近は放送局に制作費をもらえず無料でドラマを編成すると出る制作会社もある」と業界の深刻な状況を伝えた。

現在、韓国ドラマ制作協会で把握している未編成ドラマは27編だ。ドラマ市場の状況が良くなったとしても、該当ドラマたちが編成を受ける保証はない。すでに制作後時間が過ぎている現在、放送トレンドとかけ離れているという問題もある。

制作会社の関係者B氏は、「みんな編成のために悩んでいるが、しっかりとした代案は無い」とし、「映画は時間が経っても公開できるが、ドラマは放送局やプラットフォームが限定されており、今後の公開が不可能だ。OTTを通じて公開しても、いわゆる『在庫処理』レベルで赤字を免れられない」と話す。制作会社C氏は、「ドラマ市場が難しくなったことも問題だが、K-コンテンツ熱風を見て分別力なく作品を制作したことも問題」とし、「市場が安定化することも重要だが、これから制作するときは慎重に行わなければいけないという教訓になった」と話した。
WOW!Korea提供

2024.03.28