韓国ドラマを見ていると、毎日のお風呂をシャワーだけで済ますことに気がつきませんか。あるいは、風呂のシーンそのものが極端に少ないことを感じますか。それは、なぜなのでしょうか。
家ではシャワーのみ
昔から韓国では、日本のようにお風呂にひんぱんに入る習慣がありませんでした。日本の場合は湿気が多くお風呂で汗を流すことが必要でしたが、韓国は大陸性気候でむしろ乾燥していて汗もそれほど出ません。
そんなこともあって、1週間のうちに何回か軽く沐浴(もくよく)をする程度で、湯船にじっくりつかるという習慣がありませんでした。
それは現在も同じです。
かんたんにシャワーを浴びて、お風呂を済ませてしまいます。
わざわざ湯船にはつからないのです。
ですから、家庭で湯船に入っているシーンが韓国ドラマには出てこないのです。
それでも、湯船にゆっくりつかりたいときはどうするか?
みんな、サウナや銭湯に行って温まります。
つまり、「家ではシャワーだけで、湯船に入るときはサウナに行く」というのがコリアンスタイルなのです。
日本と違って韓国にはアカスリの伝統があります。どの家庭でも家族同士でアカスリをやりあうことが1カ月に何回もあります。
アカスリはからだのアカを落とすとともに、血液の流れをよくする効果があり、韓国人なら小さい頃からなじみがあります。
ちなみに、アカスリをするときに使うタオルを「イタリアタオル」と呼んだりしていました。
なぜイタリアなのか。
そのタオルをイタリアから輸入していたわけではありません。古代ローマは共同浴場があったことでも有名ですが、そんなイメージから「イタリアタオル」という名前が生まれたようです。
どこか舶来品のような雰囲気を味わいたかったのかもしれません。
文=「ロコレ」編集部
コラム提供:ロコレ