同じ時期に捜査対象になった「BIGBANG(ビッグバン)」のG-DRAGONが、嫌疑なしで不送致が決定したことも影響したとの見方を示した。ペ・サンフン教授は「G-DRAGONが不送致となり、捜査した警察は困惑しただろう。意気込んでマスコミに大きく取り上げてG-DRAGONというスターを捜査したのに何もない」と指摘。ペ・ハンジン弁護士も「一緒に捜査線上に上がっていたクォン・ジヨン(G-DRAGON)さんは不送致が決定し、捜査する側としてはプレッシャーになった可能性があったと思う。過剰な捜査と思われるような選択をしたのではないか」と話した。
このように陰性判定を受けても12月に再び公開召喚されたイ・ソンギュンさんは、3度目の取り調べに非公開出席を求めたが、警察はこれを拒否。その理由について、仁川警察庁は「地下駐車場を通じた非露出の出席を要求したが、警察は地下を経由して移動すると形が悪くなる可能性があることを説明した」と話した。しかし、これは「劇場型捜査」であり、「捜査機関内部の不足した証拠を世論を誘導して犯罪者という汚名を着せ、圧力に負けた捜査対象者に自白させようとする意図である可能性が高い」との批判がある。
当時、報じられた関連記事は1日に100件以上に上り、イ・ソンギュンさんの容疑を断定する報道も続いた。韓国映画プロデューサー組合のチェ・ジョンファ代表は「悪いことがあれば罰せられるべきだが、悪いことをしたと判断されるまで有名人という理由で標的にされた。いわゆる世論誘導と呼ばれ、無理やり捜査して魔女狩りをするようなことは正常とは言えない」と批判した。
昨年12月、イ・ソンギュンさんに19時間にわたる過酷な徹夜調査が行われた3回目の取り調べのうち、恐喝脅迫事件に関する調査はわずか1時間30分に過ぎなかったという。仁川警察庁は「取り調べ当時、弁護人側から故人の容疑に対する取り調べと恐喝事件に対する追加被害の取り調べを一度に終わらせてほしいという要請があった。深夜の取り調べは故人の同意と弁護人が参加したうえで行われた」と説明した。しかし、ペ・サンフン教授は「(警察が)次回も召喚するような雰囲気を匂わせてきたら、誰でも深夜の取り調べに同意せざるを得ないだろう」と話した。
3回にわたる恥ずべき公開取り調べに批判が出る中、政府が薬物との戦いを宣言した後に、捜査機関の実績争いがこの事件に影響を与えたのではないかとの見方もある。警察が薬物関連の捜査を行う際に「『芸能人はいないか』、『VIPパーティーを開くという話はないか』と、そんな話を聞いた」との証言もある。
キム・ヒジュン弁護士は「一般人に対する捜査よりも有名人を処罰した場合、自分の明確な実績となり、今後にもアピールすることができる。考課点数には良い影響がある。そのため、有名人や芸能人に対する捜査に熱を上げ、そのような情報を取得しようと努力するのだ」と指摘した。
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