イ・ドンウクの言葉にヒントを得た2人はタクシーに残っている紛失物の中で古い携帯電話がカン・ジヒョンの「本体」ということを突き止めた。しかし、まもなく携帯電話が放電され、同時にカン・ジヒョンも消えてしまった。ソ・ヨンミンが慌てる暇もなくお客さんが押し寄せてきた。カン・ジヒョンがいた時とは全く違う状況だった。ソ・ヨンミンはイ・ドンウクの言葉が実現したことを体感し、良かったことだと繰り返しながらも、片隅にある不便な気持ちを振り払うことはできなかった。
一方、カン・ジヒョンは携帯電話の電源が切れて以来、ずっと未知の空間に閉じ込められていた。絶壁と闇だけのその空間はまもなく崩れ始め、カン・ジヒョンは自分の最後を実感しながら目を閉じた。彼女が再び気が付いた場所は光が降り注ぐソ・ヨンミンの部屋だった。ソ・ヨンミンはすぐそばで彼女を眺めていた。
ソ・ヨンミンとカン・ジヒョンに起きた一連の出来事は、2人の心に地殻変動を起こした。何よりも強力だったのは“キス不発事件”だった。カン・ジヒョンがタクシーにくっついていたように、携帯電話を握ったソ・ヨンミンの目の前までそのまま引きずられてしまったのだ。届かなかったが、ソ・ヨンミンをドキドキさせるのには十分だった。ここにイ・ドンウクからカン・ジヒョンを救って、また彼女の携帯電話を再び作動させるために努力するソ・ヨンミンの姿は彼の心の中に訪ねてきた明確な変化を推察させた。別れではなく同行を選択した彼らの関係がまたどんな事件につながるのか気になる。
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