この日は、東方神起ユンホのミュージックショートフィルム『NEXUS』やソ・イングクの「TRAP by SEO IN GUK」など5本のショートフィルムが上映され、その後司会者の呼び込みでソンモが登場すると、来場者から大きな拍手が起こった。
「はじめまして、僕はユン・ソンモと申します。きょうはよろしくお願いします」とあいさつを終えると、トークイベントがスタートした。
5本の映画の中で印象に残っている作品について聞かれたソンモは、ホラージャンルの『カット！』を選んだ。ソンモは「その映画を観ながら感じたのは、男性の主人公が扉を開けると雨が降り、扉を閉めると雨が止むといった演出も細かいなと思いましたし、スタッフさんたちが（例えば）僕（芸能人）がステージに立っている間にスタッフはスマホを見てゲームをしたりすることもあるので、そこまで表現していたので、すごいなと思いながら集中して観ることができました」と、時間も費用もかけられない中での演出力が素晴らしいと絶賛。ショートフィルムは費用削減のため、同じ場所で撮影することがあると司会者が説明すると、ソンモは「ショートフィルムはスタッフさんが出演したり、出演する俳優もまだ認知度がなくてスタッフとして働いたりすることがあって、そこで監督さんたちと仲良くなって、『今度使ってください』ということが結構あります」と撮影の裏事情を教えてくれた。
ホラーのほかに、コメディジャンルの上映もあり、映画の『マルソック』について聞かれたソンモは、「僕の好みではないです」と正直にコメントし会場を笑わせることも。その理由について、「そういったジャンルは韓国ではあまりチケットが売れないんです。だから韓国もコメディで観客動員100万人を越えたら大成功と言えます。でも、アクションとかスリラーはその基準が1000万人です。だから、製作費も売れるチケット数も違うし、僕みたいに好みじゃないという人が多いからそれはしょうがないと思います。でも、こういうジャンルも売れてみんなに頑張ってもらいたいなと思います」と伝えた。
続いて、ミュージックビデオのような夢と現実が交差する作品のソ・イングクと東方神起ユンホの作品について、ソンモは「ソ・イングクさんのショートムービーを観たら、もともと僕も超新星としてグループでデビューしたのですが、舞台の上と下、舞台に立っていろんな人になれて、この服やあの服と着てみて、何が本当の自分かということを表現したイングクの映画を観て、イングク自身を表現したいのかなって思いました。あと、ユンホさんは相変わらずかっこいいと思うし、もともとダンスは上手なんですけど、表情も今のように見せることができるようになったのもすごいし、今も努力しているんだなと思いました。演技しながら振付をして、その感情をずっと続けられるのはすごいと思ったし、そういう人はあまりいないと思う」と語った。
特にユンホの作品に関しては、長編映画が1本できるくらいの製作費がかけられていると話す司会者。ソンモは「映画のエンディングクレジットが何分になるかによって（製作費がかけられた）お金は違います」と話し、この言葉に会場からも「あー」と共感の声があがった。
韓国映画の特徴について聞かれると「演技が上手いと思ったし、編集のカットが上手いと思いました。ショートムービーを昔から観ているんですけど、やっぱり日本と韓国の違いはカット数だと思いました」と話し、韓国でのショートフィルムの人気については「正直言うとないです。『（一般人に）ショートムービーを観たことがありますか？』と聞いたら90％ないと言われると思います。だから、ユンホさんみたく認知度のある方が撮ったり、最近はYouTubeでも観ることができるので、そうやって広げていったりすれば皆さんも興味が出てくるんじゃないかなと思っています」とショートフィルムへの想いを語った。
韓国と日本の撮影現場の違いについて聞かれると、「時間ですね。一番大事なことだと思うんですが、韓国は週に52時間以上撮影ができないんです」と話し、長時間の撮影で疲労がたまっている中での車移動による事故や病気になるスタッフが多かったことから法律的に変わったことを説明してくれた。日本の映画にも出演したことのあるソンモは「でも日本は、去年日本で映画を撮ったことがあったんですけど、撮影日の朝6時に呼ばれて、次の日に5時に呼ばれて、休みが1日あったんですけど、その日は別のスケジュールが入っていて、また次の日に5時半と言われて…。だから、まだ日本は（韓国のような法律が）決まっていないんだって思ったんですが、どっちがいいか、良い作品も重要ですが、人の命が大事じゃないですか。世界的にやってほしいことだなと思ったことがあります」と切実に伝えた。
（２ページに続く）
