物語は主人公のウンピョ(イ・ヨウォン)が大学で講義をしている場面から始まる。そこに白い服を着た美女が現れウンピョは動揺する。不穏な空気が流れて何かが起こりそうな危険な感じだ。だが、これはウンピョの夢の中の出来事だった。
毎回なにかが起きるスリルある展開
小学校に登校する子供たちを守るために「旗振り当番」に出かける主婦たちの忙しい朝が始まる。
お揃いのグリーンのベストを着て旗を持ち颯爽と歩きだす四人の母たち。
チュニ(チュ・ジャヒョン)、ジナ(キム・ギュリ)、ユンジュ(チュ・ミンギョン)、ヨンミ(チャン・へジン)の四人だ。そこに引っ越しの車に乗りウンピョがやってくる。
学歴社会である韓国の教育熱心な学区が舞台となり、母親たちの競争とそれに振り回される子供たちの苦悩が描かれているドラマかと思いきや、サスペンスあり、スリラーあり、刑事事件あり、過去の恋愛まで色々なことが詰まったドラマだ。
親自身が負けたくないという競争心、それが引き金となりママ友同士の争いが始まる。
ウンピョとジナは学生時代の同級生、そしてジナの夫ルイ・ブニュエル(ロイ)はウンピョの元恋人。
チュニとユンジュの夫イ・マンス(ユン・ギョンホ)も元恋人同士。
ヨンミの夫オ・ゴヌ(イム・スヒョン)はジナに好意を持ち、なにやら不気味な存在だ。
こんなにも人間関係が複雑だと何がおこってもおかしくない。
幸せそうに見えてもどの夫婦も闇をかかえている。
チュニの夫は救いようがないほどどうしようもない。
ウンピョは夫が刑事なのに、「ウンピョ!そんなことしていいの?」とこちらが心配になってしまうようなことをしてしまう。
ウンピョの表情、動作にイライラがつのる。
いつも下を向いているイメージのウンピョ。
「もっと堂々と明るくしていたらいいのに、テキパキしようよ」と思ってしまう。
その中で忘れてはいけないのは子役の子供たちだ。どの子もみんなすごく上手な演技だ。
チュニの娘役のユビン(チュ・イェリム)はドラマの中でどうしてそんなことを思いつくのか、少々可愛くないなぁと思わせるほど上手な演技だった。
ウンピョの息子のドンソク(チョン・シユル)は、落ち着きがないがのびのびとした可愛い子供を演じていたが、ストレスにより……。
チョン・シユルは表情の演技も上手い。
彼はパク・ミニョン主演の『彼女の私生活』にも出演していた。柔道の受け身の練習シーンが可愛くて忘れられない。
子供たちの演技に助けられてもいたこのドラマ、毎回なにかが起きて一気に続けて見たくなるドラマだった。
結局まともな夫婦はいたのだろうか。
文=須坂のりこ
コラム:ロコレ提供http://syukakusha.com/
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