「インタビュー」「なぜオ・スジェなのか」ファン・イニョプ「僕とは異なる人物に見えるように心掛けた」【オフィシャルインタビュー】

-恋敵チェ・ユンサンを演じたぺ・イニョクさんと共演してみていかがでしたか?
実は僕よりだいぶ年下なのですが、ドラマでは僕の1個上という設定です。でも年下を感じさせないほど、どんな時も素晴らしい演技を見せられるようにいつも台本を持ち歩いていて、撮影のアングルが変わる度に練習している姿を見ながら、とてもかっこいいと思いましたし、年下だけど見習うべき点が多い俳優だと思いました。恋敵として出てきますが、実際にはどうすればスジェとの三角関係をより面白く見せられるかについてたくさん話し合いました。イニョクにはすごく支えてもらいました。

-キャスティングされたときは全話分の台本が完成されていなかったようですが、イニョプさんが想像していた最終話はどのような内容でしたか?
脚本家の先生のような深いストーリーは考えられませんでしたが、僕はこんなエンディングを考えていました。キム・ドングがコン・チャンだと知らなかった時、オ・スジェとコン・チャンは良い関係でした。そんな時、過去に自分が弁護したキム・ドングだと知り、コン・チャンから離れようとする瞬間から最終話までの間、キム・ドングに起きた出来事、オ・スジェに起きた出来事が無事解決し、ラストシーンでは料理上手なコン・チャンの手料理をお店で食べながら2人で会話するシーンで幕を閉じたらどうだろうかと想像していました。でも、それよりはるかにもっと素敵な結末を描いてくださっていたので、とても感謝しています。


-演じられていてご自身が楽しみにしていたシーンはありますか?
楽しみにしていたというより、心配だったシーンはあります。序盤でキスシーンがありました。今までキスシーンを撮ったこともなかったですし、相手が韓国中が愛するラブコメクィーンのソ・ヒョンジンさんだったので、どうしたらいいのかとプレッシャーを感じました。撮影に入る前に、うがいもたくさんして、隅々まで歯もたくさん磨いて、万全に準備をしたのですが、頭の中が真っ白になってしまいました。その時ソ・ヒョンジンさんが、アクションシーンだと思って呼吸を合わせて、一番綺麗な姿をカメラに収めましょうと言ってくれました。それを聞いて、少しだけ気持ちが楽になって撮影に臨めました。悲しくて美しいシーンに仕上がったと思います。個人的に一番心配していたシーンは、ソ・ヒョンジンさんと初めて演技をする、コン・チャンが初めてオ・スジェとすれ違うシーンです。そのシーンは心臓がどきどきしてしまうほど一番不安で緊張したシーンでした。けれど、素敵な場面に仕上がっていたので感謝しています。その二つが一番記憶に残っていますね。

-印象に残っているセリフはありますか?
コン・チャンのロマンティックさとセンスのある気配りが表現されているセリフの「お互いさま」です。どんな状況も悲しくて困難があるけれど、相手を気遣って自分は大丈夫だという意味を含んでいるそのセリフが、個人的にコン・チャンを最も上手く説明していて、コン・チャンを代弁しているセリフではないかと思います。

-ご自身のシーンで、一番気に入っているシーンと、その理由を教えてください。
特定のシーンと言うより、チョ・ダルファンさんとイ・ギュソンさんとのお店のシーンはほとんどアドリブでした。チョ・ダルファンさんの演技は言うまでもないですし、チョ・ダルファンさんに一番初めの演技が最もリアルな感情を含んでいるから、まずはやってみようと言われました。何も計算せず、自由に演じた3人でのシーンがとても楽しかったので気に入っています。

-撮影裏話や、空き時間の想い出など、撮影エピソードを1つで結構ですので、教えてください。
オ・スジェが刑事に手錠をかけられて連行される時、僕が自分のマフラーで手錠を覆ってあげるシーンがあります。実は最初そのマフラーの色は黒でした。僕の衣装には黒がよく合っていたので。でも監督に相談して、コン・チャンのその行為はオ・スジェを守るためだったので、黒よりはコン・チャンの澄んだ心を表現できる白にしたいとアイディアを出して色を変えてもらったんです。その部分が上手く表現されていてうれしかったです。


-本作はファン・イニョプさんにとってどんな作品になりましたか?
コン・チャンを演技してみて、自分でも知らなかった感情の深さを教えてくれた作品だと思います。僕はあまり悲しみの表現が深くないと思っていたのですが、 コン・チャンを演じることで表現できる感情の幅が広がった気がします。「なぜオ・スジェなのか」は僕をもう一段階成長させてくれた作品ですし、演技をすることがどれだけ幸せなことなのか改めて教えてくれた作品です。素晴らしい先輩方と共演できましたし、僕は一番演技歴が短かったので、毎日学びに行く気分で撮影現場に行っていました。とても幸せで、二度と出会えない、そんな作品になりました。

-本作の見どころを教えてください。
オ・スジェという人物は、とても冷たくて、暗くて、痛ましいほど悲惨な経験をしましたが、そんな人物がどのように変化し、どのように成長していくのかについて注目していただければ、より楽しめると思います。そして一方では、コン・チャンの視点からのオ・スジェに向けられた感情についても感じていただけると思います。二人がそれぞれの立場から、お互いを見つめる姿も見どころだと思います。

-ドラマの撮影がクランクアップした後にする習慣はありますか?どのようにドラマと日常を切り替えていますか?
撮影期間を除いて、ほぼ一年間コン・チャンとして生活していたので、コン・チャンをちゃんと送り出してあげることが僕の宿題でした。焦って忘れようとすると、かえって思い出したり、虚しくなるのでゆっくり忘れようと思いました。前は早く忘れるために友達と会ったりして、メンタルを回復させようとしていましたが、今回は少しずつコン・チャンを送り出せるよう1人で考える時間を作りました。意味ある時間になりましたし、思ったより辛くなく、1人でいる時間が心地良かったです。これからもどんな作品であろうと焦って忘れようとせず、十分に理解しながら受け入れて、1人の時間を作っていこうと思います。これからは、1人で自分の好きなお香の香りを嗅ぎながらコーヒーを飲んで夜景を見て、そういうふうに別れたいですね。

-日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
皆さん、こんにちは。「なぜオ・スジェなのか」でコン・チャン役を演じたファン・イニョプです。皆さんに僕の大事な作品を見ていただけて本当に幸せです。ぜひこの作品が、皆さんの心に残る大切な作品になってくれることを願っています。お体に気を付けてお過ごしください。

「なぜオ・スジェなのか」
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2023.08.08