「制作発表会レポート」キム・テリ&オ・ジョンセ&ホン・ギョン&イ・ジョンリム監督がオカルト・ミステリー『悪鬼』の魅力をアピール

6月23日にディズニープラス スターで配信がスタートしたドラマ『悪鬼』。
放送に先駆け、23日昼にソウルで制作発表会が開かれ、主演のキム・テリ、オ・ジョンセ、ホン・ギョン、そしてイ・ジョンリム監督が登壇。
記者たちの質問に答える形で、ドラマをPRした。

『悪鬼』は、悪鬼に憑かれた女性と、その悪鬼が見える男性が協力しながら謎の死亡事件や悪鬼の正体に迫っていくオカルトミステリースリラー。


「キングダム」シリーズ、「シグナル」シリーズ、「サイン」など多くのヒット作を生みだした脚本家キム・ウの最新作であり、若手実力派女優キム・テリ、「ヒット作にこの人あり!」と言われる名バイブレーターオ・ジョンセ、
2023年、“最も期待されるライジングスター”と名高いホン・ギョンがタッグを組んだことでも話題となっている。

 演出を手掛けたのは、メロドラマ「VIP-迷路の始まり-」でスタイリッシュな演出を見せたイ・ジョンリム。今回、どんなスタイリッシュな韓国式オカルトを見せてくれるのか注目されている。
ドラマ概要について聞かれたイ・ジョンリム監督は「『エクソシズム』のエクソシストのようなキャラクターはここには出てきません。私たち(韓国人)の先祖が長い間信じてきた民俗学、土俗信仰、伝説、説話のようなものをベースにたくさんの悪鬼が登場します。
キム・ウニさんの台本は、かなり分厚かったのですが、地の文で状況説明を事細かに書いてくださったので、台本を読むだけで頭の中に“絵”が浮かんできて、とても楽しく作業をすることができました。
撮影をする中でだんだんと恐怖に慣れていき、知らず知らずのうちに少し刺激的な演出になったところもあると思いますが、恐いシーンが一つ出るとゴマ粒くらいのユーモアが出てきたりするので、“恐いけど、平気だね”と思いながら、観ることができると思います」と説明。
初のオカルト作品への挑戦に、自信を覗かせた。

悪鬼に憑りつかれたヒロイン・サニョン役を演じたキム・テリは、「台本を読んだとき、12話にストーリーがぎっしり詰まっているという感じを受けました。構造的にも完璧で、とても面白いと感じました。
民俗学がテーマというのの新鮮でしたし、韓国に存在する様々な事情を持った“霊”たちのエピソードがたくさん盛り込まれているところにも、興味が湧きました。
キム・ウニさんとお話をしたとき、“青春”を物語の中に溶け込ませるとおっしゃっていたんです。その点に関しても、どんな話になるのか気になりました」と、出演を決めたきっかけについて回答。
演じるサニョンについては、「生活力のない、頼りない母親のもとで育ったために、自分のことよりも母親を守ることを優先して生きてきた若者。未来に対して具体的な計画はなくとも逞しく歩んでいくところは私と似ていると思います。
サニョンは、悪鬼に憑りつかれなければ、私がこれまで演じてきたキャラクター同様、強い子です。そこは私とは違うかな。私は人に流されるタイプなので(笑)」と魅力を語った。

悪鬼と神がみえる民俗学者という変わった役柄を演じることとなったオ・ジョンセは、「僕が演じるヘサンはウィットもなく、社会性も乏しいキャラクター。それでも、ドラマが終わるころには、彼の魅力が見えてくるといいな、という思いを持っています」と話し、笑いを誘った。

ホン・ギョンが演じるのは、ソウル庁協力犯罪捜査隊で働くホンセ役。出演理由を聞かれると、緊張した面持ちで「素晴らしい先輩方が参加されるということもそうですし、キム・ウニさんの作品に出られるなんて!
というワクワクする気持ちで台本を読みました。撮影中には先輩方や作家さん、監督にいろいろと質問をしながら自分の不明点を解決させて演じていきました」と回答。
20代の若者や、社会に出たばかりの人たちは、既存のマニュアルや方式とぶつかったり、そのせいで自分の信念や自分のやり方が間違っているかもしれないと思ったりするときがありますよね。
それでもホンセは、くじけずに堂々と自分の考えを貫くんです。その点は僕と似ているのではないかと思います
」と役柄を説明した。

ドラマの見どころの一つが、キム・テリの演技だ。
今回、「悪鬼に憑りつかれた姿」と「本来のサニョン」の2つの顔を演じるキム・テリは、「一つの顔で二つの人物を演技しなければいけないことが、一番難しかったです」と苦労を吐露。
「演技をする時には、サニョンのその瞬間の状況にだけ集中することを心掛けました。サニョンは1話から悪鬼に憑りつかれてしまいますが、
本来のサニョンを演じる時には「サニョンの本来の姿はどんなだったのだろうか?」「どんな欲望を抱いているのだろうか?」とたくさん自分に問いかけました。
また、悪鬼に憑りつかれた姿を演じる際には、“恨(ハン)”に集中をしました。悪鬼が何に最も怒っていて、何が悔しいのか。このシーンでは、悪鬼の感情をどの程度の強さで出すのか。そんなことに集中して演じました」と、二つの顔の演じ分け方を説明した。

そんなキム・テリの演技力には、オ・ジョンセも支えられたそうで「幽霊が見える演技をどうやってやればいいのかと悩んでいたのですが、キム・テリさんの演技を見て、ただ彼女の演技にリアクションをすればいいだけなんだ、と、心が穏やかになりました」と感謝の念。
ヘサンが悪鬼と対峙するシーン、祭祀を行うシーンの熱演に繋がったようだ。

また、オ・ジョンセはホン・ギョンからも大いに刺激を受けたようで、「ホン・ギョンさんは現場に新しい空気を持ち込んでくれましたし、“新しい情熱”を見せてくれました。僕も情熱のあるタイプですが、もっと情熱的になりたいと思わせてくれる俳優でした」と絶賛した。

 韓国では、撮影やレコーディング現場で幽霊を見るとヒットするというジンクスがあることから、中盤には記者から「幽霊を見たか」という質問も。
イ・ジョンリム監督は「幽霊は見られませんでしたが、なぜこんなことが続くのかと思うくらい、天気には振り回されました。例えば、汝矣島の橋の上でオ・ジョンセさんが撮影するシーンでは、風や霧のせいで、何度も延期になりました」と、
“天気霊”に翻弄された撮影エピソードを紹介し、ヒットを予感させた。

(2ページに続く)

2023.07.08