「インタビュー」 キム・ソリョン「なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~」 (オフィシャルインタビュー)

Q.本作に出演を決めた理由をお聞かせください。
キム・ソリョン:私は台本を頂いた時にまず「なにもしたくない」というタイトルに惹かれました。そして中身を読んでヨルムにとても共感を覚えたんです。これまで私が演じてきた役柄とは違う印象で、今回は私の新しい姿を見せられると思ったので出演を決めました。


Q.ヨルムというキャラクターの魅力は?
キム・ソリョン:ヨルムというキャラクターは周りから見ると消極的で自己主張せず、もどかしいかもしれません。でも、私はむしろそこに共感しました。私も子供のころはとても内気で自分の意見を言うことができなかったんです。そんなヨルムが自分を理解して、正直に自分の意見を言えるようになる、そんなふうに変化していく姿が本当に魅力的でした。激しく揺れるけど決して折れない、葦のような彼女の魅力に惹かれました。

Q.役柄とご自身で似ている部分、また違う部分は?
キム・ソリョン:ヨルムと私は“イ・ヨルムそのもの”と周囲から言われるくらい、多くの点でよく似ています。たとえば些細なことでは動物が好きなところ、感受性が豊かで自分探しをしているところ、自己実現のために努力するところ、そして無計画なところ(笑)。そんなところが似ています。監督も仰ったのですが、ヨルムは内気な性格だけど正直なところがあって、気を使いつつも自分の意見はきちんと言います。そんな姿が私に似ていると思いました。

Q.役作りのためにどんなどんな準備をしましたか?
キム・ソリョン:外見的な面では特に気をつかう部分はありませんでしたので、キャラクターの感情面に集中して演じました。都会で会社員生活を送っていたころのヨルムは、ピンと張ったゴムひもみたいに今にも切れそうな、とても張り詰めた状態でした。会社を辞めてからはピンと張ったゴムひもがブチっと切れた開放感を出そうと努めました。会社を辞める前と後で、ヨルムの姿がガラッと違って見えるように変化を出そうと努めました。


Q.髪型や服装などの注目ポイントを教えてください。
キム・ソリョン:私は、ヨルムと私が一体化するように、とにかく普段の自分の服を利用したんです。それから髪型ですが、ソウルで会社勤めをしながら気を使うのは難しいですよね。だから、パーマをかけてカールしていた髪が月日が経つにつれてパーマが取れていく、そんな姿も見られます。地方に行ってからはほとんどメイクをせず、自然な感じを出すように努めました。ヨルムはリュック1つに入る荷物だけを持って地方での生活を始めるので、服も少なくて、Tシャツとズボン2~3枚を着回しします。衣装が少ないだけに、素敵な服を厳選する必要がありました。あれこれ組み合わせてみて、選びに選んで監督と決めました。それらの衣装がヨルムをよく表している気がします。同じ服を着回しますが着方も工夫しているんですよ。そんな部分にも注目してくだされば、楽しんでご覧いただけると思います。

Q.イム・シワンさんの第一印象と共演した感想をお聞かせください。
キム・ソリョン:シワンさんは初めてお会いした時、気楽に接してくれたんです。私よりキャリアがはるかに長い先輩なので堅苦しく構えていたのですが、すぐに打ち解けて初日からタメ口に(笑)。おかげで気楽な仲になりました。そして、私と違ってシワンさんはとても分析的です。他の人が見逃す部分を指摘することもありますし、特に自分のパートでないシーンまで気を配るところを見て、「さすがキャリアが違う。信じてついていける」と心強く感じました。現場でも私だけでなく全員を気遣ってくれて、「まるで天使みたい」と感動しました。

Q.撮影中、印象に残ったことは?
キム・ソリョン:監督は台本通りにやることをあまり好みません。だからベースやニュアンスはそのままで、違うセリフを言うよう求められました。その時々の状況で、テイクごとに違う感情、違う表情が出ることを好むんです。事前に準備をしても現場で変更が入ることが多かったので、現場で皆で力を合わせて1つのシーンを作っていくという感じでしたね。それが印象深く残っています。私はどちらかと言えば台本に縛られる方で、台本に書いてある通りに演じるタイプでしたが、本作の監督は「アングルから外れてもいい」「つなぎを考えなくていい」「その時自分が感じたままを表現すればいい」「何もなければ表現しなくていい」そう仰ってくれたので、自由に演じることができたんです。おかげで勉強になりました。
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2023.07.04