『梨泰院クラス』は、主人公のパク・セロイが最大の敵である長家グループのチャン・デヒに復讐する物語だ。それがドラマのメインになっているのだが、すごいのは、心を奮い立たせるサクセスストーリーにもなっているところだ。
パク・セロイの生き様
物語の展開を見てみよう。
すべてを失ったパク・セロイが、監獄に入った後の生き方がすごい。
父親の死亡保険金を投資によって大いに増やし、社会に出た後は長い間肉体労働をしながらお金を貯めていく。
外食産業ナンバーワンの長家グループを倒して、自分が一番になるという壮大な目標があるから、死に物狂いで努力ができたのだ。
そして、梨泰院にタンバム(甘い夜)という居酒屋をひらいてからは、とにかく人を大事にして商売を続けていく。
パク・セロイのビジネスの哲学は、人と信頼を大事にするということだった。
ひたすら金を儲けようというわけではない。
仲間と一緒に目標を達成することが大事だった。
象徴的なシーンがある。
それは、料理担当のマ・ヒョニが不評だったときのことだ。
マ・ヒョニにこれまでの給料分を渡す場面で、「もう来なくていい」と言うのかと思ったら、「2倍渡したから、その分努力してほしい」とパク・セロイは述べた。
凄い逆転だ。
そういうことを言えるのがパク・セロイという男なのである。
『梨泰院クラス』というのは、パク・セロイの生き様を見ているだけでも本当に勇気づけられるドラマだった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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コラム提供:ロコレ