<W解説>「偏向報道」と批判も人気を集めた韓国のラジオ番組が終了、その理由は?

「ニュース工場」や金氏に対し「偏向的だ」と批判があった一方、時事週刊誌「時事IN」が昨年実施した「2022年大韓民国信頼度調査」では、「信頼できる番組」1位に選ばれた。公共放送KBSの「ニュース9」や、SBSの「それが知りたい」をも上回る信頼度を獲得した。また、「一番信頼できるジャーナリスト」を問う質問で金氏は2位にランクインした。

こうした中、金氏は先月12日の放送内で、年内いっぱいで番組の司会を降板し、番組自体も終了することを明らかにした。番組を放送する韓国・TBSはソウル市から資金援助を受けている放送局で、同市議会は今年の市の予算案で、TBSに対する支援額を昨年より27.4%、88億ウォン(約9億円)減の232億ウォン(約23億9000万円)とすることを決めた。支援額が大幅減となり、TBSは制作費の削減に着手。「外部の司会者を招く制作費がない」(TBSのユ・ソンヨン理事長)として金氏の降板が決まり、併せて「ニュース工場」の終了も決定した。

「ニュース工場」は先月30日、最後の放送となり、金氏は「再び戻ってくる」などと話した。また、自身の発言が度々物議を醸し、「政治的に偏向している」と批判されてきたことについては「私は偏向的だ。偏向に至る過程は公正だ」とした。一方、金氏は番組降板に伴い、ユーチューブのチャンネル「金於俊の謙遜はつらい ニュース工場」を開設した。金氏は「『ニュース工場』がなくなるわけではないことを示すために、スタジオも(従来のものと)同じように作った」などと話した。金氏のもとには「ニュース工場、万歳」などとチャンネル登録者から歓迎する声が寄せられている。チャンネルでの番組放送開始は今月9日の予定という。

WOW!Korea提供

2023.01.10