※ドラマのネタバレになる内容が含まれています。
俳優ナムグン・ミンは、最近韓国で放送が終了したSBSドラマ「匂いを見る少女」」で連続殺人犯のクォン・ジェヒとして恐ろしい目つきを見せた。甘い微笑みの中に隠されたサイコパスな鳥肌の立つ二面性は、お茶の間を緊張させた。
2002年にSBSのシットコム「大当たり家族」でデビューしたナムグン・ミンは、かっこいい外見と安定的な演技で善や悪に関係なく、多様なキャラクターをこなしてきた。今回の「匂いを見る少女」でも主人公のパク・ユチョン(JYJ)やシン・セギョンに負けないくらいの強烈な存在感を見せた。
「今回の作品は気持ちが楽でした。作品がうまくいくかどうかは、僕がうまくやったからといってどうなるものでもないですから。俳優は一生懸命に演じなければならず、いい機会があれば作品もうまくいくと思っています。だから楽に演じて、連続殺人犯だからといって特別に神経を使うこともありませんでした。」
ナムグン・ミンの演技は、お茶の間を驚かせた。演技がうまいからこそ可能なことだ。ジェヒが連続殺人犯だという事実が明かされた回でナムグン・ミンが見せた眼差しは、本当に怖かった。
「あの日は知り合いから連絡がたくさんきました。怖かったそうです。実際にどのくらいまでやらなきゃいけないかな、ということに神経を使いました。あまりにリアル過ぎたら、好感度が落ちるかもしれないじゃないですか(笑)。強度を調節しましたね。どうしたら怖く見えるかという悩みはありませんでした。感情の表現が極大化された時、表情がガラッと変わったらおかしいと思うからです。だから少し控えめの演技をしようと思いました。演技をする時には頭で作戦を立てず、瞬間的な感覚で演じなければならないと考えています。撮影を繰り返すたびに表情が少しずつ違います。それが長所になる時も短所になる時もありますけどね。」
“ナムグン・ミンの再発見”という賞賛にあふれた。ドラマを圧倒する殺人犯のすさまじい雰囲気は「匂いを見る少女」の緊張感を高めた要素だった。
「今回、いい評価をしていただいたのは、やはり運がよかったからだと思います。演じる時に好評を得るだろうか、酷評されるだろうか、なんて考えません。デビューした頃は頭を使って演じていましたが、今は変わりました。『私の心が聞こえる? 』が終わって、これからは主人公をしなければと思っていたんです。だからいい作品が来てもやりませんでした。そうやって2年も休みました。本当に後悔しています。今はいい作品であれば、無条件にやるつもりです。どんなキャラクターでも、僕が出る分量は関係ありません。」
今回の作品で好評にかかわらず、ナムグン・ミンは平然としていた。いつでも演技に集中しながら俳優の道を歩いてきた彼だけに、“再発見”という賞賛に感謝はしても、大きく浮き立つようなことはなかった。
「僕はいつでも演技をしていました。今回の作品で特別に演技がうまかったとは思いません。ただ、今回の作品が僕にとって運がよかったのでしょう。次はもっと運がよかったらいいですね。」
「匂いを見る少女」はドラマの展開に残念な部分があった。蓋然性が多少不足した展開が問題であった。
「僕も残念だと思っています。でも撮影の時に完成度については見通していました。以前は流れるままにいかなければ、うんと悩んだんですが、今はそうではありません。1週間に2話放送しなければいけない環境で、全てを完ぺきに作ることはできないと思います。脚本家の先生はどれほど大変でしょうか。いただいた台本を見ながら、意図を把握し、円滑に演じなければという思いしかありません。僕がこの作品で目立たなきゃといった欲はありません(笑)。」
「匂いを見る少女」でジェヒは、何をしても生き残った不死鳥のようだった。屋上から落ちる最後のシーンが放送された後、視聴者はジェヒが生きているかもしれないと笑えない冗談を言うほどだった。すでに輸送車両から転げ落ち、生き残った意志と粘りがある男だったからだ。
「脚本家の先生が考えた結末に忠実に従わなければと思います。ジェヒがどうやって生き残ったのかと考えながら演じる時間はありませんでした。何も考えず、演技だけをしなければならない差し迫った状況だったんです。だから演技に集中することができて、楽だったように感じます。」
ナムグン・ミンはもう少し楽な気持ちで演じていたようだ。よく言う「下ろすこと」の美学だろうか。
「以前は徹夜で演技について話していました。だけど最近は誰かが演技について聞いてきても、あまり話しません。演技はすればするほど難しいからです。『私の心が聞こえる? 』以降、ずいぶん変わりました。僕が今後、どうやって演技をしなければならないか、たくさん悩みました。あの時休んでいなかったら、今よりいい演技を見せられなかったのではないかと思います。これからは作品を選びません。いい作品なら忠実に演じるのがいいと考えています。そうやって考えてみたら、演技に対する強迫観念がなくなりました。」
ナムグン・ミンは今回のドラマではロマンスがなかった。その上、殺人犯のため周りに人がいなかった。
「僕は一人の女性に片思いする演技を10年以上やってきました。叶わない恋でしたね。それでもみんなパートナーがいましたが、今回はいませんでした。ヨンミ班長(ユン・ジンソ)を捕まえた時に会話をしただけです(笑)。心細くて寂しかったですよ。刑事役の俳優たちは男だとしてもパートナーがいるじゃないですか(笑)。パートナーのいない役はいい所もあります。撮影が早く終わることです(笑)。」
ナムグン・ミンは独身だ。結婚適齢期である。恋愛と結婚の予定を聞くと、「ある」と即答した。
「恋愛の予定はあります。だけどうまくいきませんね(笑)。結婚したい気持ちも当然ありますよ。弟が昨年に結婚して子どももいるんです。盆暮れ正月などに会うとうらやましいですね。でも結婚を焦ってはいません。僕はまだ仕事への欲が大きいようです。僕の代表作がないので、もう少し演技をたくさんお見せしたいです。」
ナムグン・ミンは人気番組「私たち結婚しました」でバラエティー番組にも出演した。ホン・ジニョンとの仮想結婚生活は、多くの人から愛された。普段、楽しんで見ているバラエティー番組はあるのか聞いてみた。
「僕は最近、遅く寝て遅く起きるんです。だけど今日はインタビューのために早く起きたんですよ。明け方の3時頃に目が覚めたんです。だから『覆面歌王』を見ました(笑)。本当に面白いですね。家で見ていて、本当に歌がうまい人がいたので、自然に拍手をしていました。それはAileeさんでした。本当に上手ですね。それで『覆面歌王』のこれまで放送された分を全部見てしまいました。出演ですか? それはありません(笑)。」
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