「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.234「優秀な女性脚本家に感謝!」

韓国では連続ドラマを1週間に2話ずつ放送するのが通常のスタイルになっている。
たとえば、月火、水木、土日というように2夜連続で放送していく。これだけ短期間に連続して放送するとなると、かつては撮影現場が徹夜続きになってしまったが、現在は「働き方改革」で以前のような過密日程の撮影は避けられるようになった。

『私たちのブルース』は女性脚本家の重鎮と言えるノ・ヒギョンの作品だ

脚本家は女性が圧倒的に多い
以前は、ドラマの撮影は放送直前に始まって集中して作業をするというスタイルが普通だった。しかし、今は、事前に撮影を終えておくという余裕あるスケジュールを組む割合も高くなっている。
このように、ドラマを撮影する環境は改善されているが、良質のドラマを作る上で、優れた脚本家の労力は相変わらず「超人的」と言わざるをえない。
撮影は多くの人が関わって役割を分担することができるが、脚本は共作でないかぎり1人の優れた書き手に依存しなければならない。
それでも、最近の韓国ドラマ界を見ていると、本当に優れた脚本家がたくさん出てきている。しかも、特に強調したいのは、圧倒的に女性が多いということだ。
理由は様々にあるが、非常に重要なのは収入の問題だ。
原則的に、脚本家はフリーランスである。プロデューサーや演出家は大きな会社の社員だが、脚本家は生活の保障を得られていない。しかも、韓国には脚本家が世に出る上で独特の慣習がある。それは何であろうか。

女性脚本家の作品の特徴

韓国では、脚本家をめざす人は一流の脚本家の弟子になって修業を積んで作品を書けるチャンスを待つ、という仕組みが常態化していた。
その間は報酬を期待できない。そうなると、韓国では安定した収入を求める男性が脚本家をめざすことが難しくなり、経済的に融通が利く女性のほうが脚本家の修業を積むことができる場合が多かった。
そうした土壌の中から優れた女性の書き手がどんどん出てきて、一気に脚本の世界が女性ライターの独壇場になっていった。
今でも、韓国放送作家協会が主宰する脚本家養成講座の受講生は、圧倒的に女性が占めている。男性は本当に数少ない。かくして、女性脚本家が次々に一本立ちして優れた脚本を書く流れが定着している。
女性の書くシナリオは総体的にみれば、ストーリーに生活感があり、心理描写が巧みで、セリフにリアリティがある。
しかも、視聴者が予測できない展開に持っていく発想が豊かである。
ドラマの出来を左右する最大の要因は、ズバリ言って脚本だ。ドラマ好きとしては、韓国に優秀な女性脚本家が次々に登場することを本当に頼もしく感じている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.09.24