『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は最高に面白いドラマだった。出会えたことを幸せに思うし、一生記憶に残るドラマと言っても大げさではない。パク・ウンビンの演技力が光り、涙があり、ユーモアもあり、今まで感じたことがないような感覚の心温まるドラマだった。
周りの人を晴れやかな気分にする天才!
ヨンウは自閉スペクトラム症の新人弁護士として働く葛藤や、差別、偏見に悩みながらも父親、友人、同僚の支えにより立派な弁護士に成長していく。
ハンバダ弁護士事務所のビルの回転ドアを、ワルツのリズムで一緒に通過してくれたジュノ。
二人の仲がピュアでじれったいくらいだったが、始めよければ終わりよしだ。
ヨンウから「春風のような人」と言われたスヨン。彼女もどんな時もヨンウの味方でいてくれた。
上司のミョンソクは、さりげない優しさでヨンウを見守り続けた。
ミョンソクの病状を心配するヨンウのストレートな言い方には、みんなドキッとさせられたが、本人はいたって真剣そのもの。それがわかっているから誰も何も言わない。
そして、私が16話でやったじゃない! と好感をもったのはミヌだ。
散々、いつ何をしでかすかと心配していたが、根っからの悪党ではなかった。
本当はいい男、硬い殻を破って晴々とした表情のミヌ。これもスヨンの影響だ。
そして、クライマックスは実の母親に自分の思いを話す場面だ。
「私は、みんなと違うからなかなか溶け込めないし、嫌われることも多いです。それでも平気です。これが私の人生だから。私の人生はおかしくて風変りだけど価値があって美しいです。」
そして、こうも話した。
「私にはいい母親じゃなかったけど、サンヒョン君(ヨンウの弟)にとってはいいお母さんになってください。」と。
それを黙って聞いている母親役のチン・ギョンの演技がすごかった。
ヨンウに背を向けながら、涙をこらえる目元がだんだんと赤くなり、口元が小刻みにゆがむ。感情をこらえた表情がなんとも素晴らしい。
ヨンウはひとり残された大きな部屋で懸命に涙をこらえていたが、思わず漏れた、声を詰まらせたような「はっ……」という小さいひと声と共に、大きな目から涙がこぼれた。
私の涙腺も崩壊した。
今は何度でも回転ドアをうまく通過するヨンウをまた見たい。
「ズン チャ チャ、 ズン チャ チャ」とワルツのリズムに乗って、さぁ一歩を踏み出して。
ヨンウの最高に可愛い晴れやかな笑顔!
パク・ウンビン、ありがとう!
文=須坂のりこ
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の世界を作ったパク・ウンビンの凄さ!
コラム提供:ロコレ