『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』でIU(イ・ジウン)が演じたジアンは、序盤から好ましくないイメージのヒロインだった。常に仏頂面で、誰にも心を開かない。こういう女性が職場にいたら、間違いなく周囲から浮いてしまうだろう。
心の変化
IU(イ・ジウン)は『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の序盤で、どのような気持ちで撮影に臨んだのだろうか。
彼女が演じたジアンは、誰からも好かれないタイプの女性だった。というより、ジアンは人間不信に陥っていて、他人と目も合わせなかった。
そんな女性を演じるにあたり、IU(イ・ジウン)自身が序盤の撮影中に同化してしまう部分が多かった。それは、彼女の役作りにも必要なことだった。
それゆえ、撮影現場でIU(イ・ジウン)は共演者と話をせず、役に没頭していた。そのことを共演者たちもよく理解しており、IU(イ・ジウン)が撮影中に孤高を守っていても、そっとしてくれていた。
また、彼女自身も体調がとても悪かったので、周囲と打ち解けた雰囲気を作ることもできなかった。
こうして進んでいった『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』の撮影。中盤になると、ドラマの中のジアンの立場も変化していき、彼女はドンフン(イ・ソンギュン)やその兄弟・仲間たちに優しく接してもらい、少しずつ心を開いていくようになった。
それは、IU(イ・ジウン)がジアンに向き合う心に変化をもたらした。彼女はヒロインを演じる上で心が軽くなっていき、自然に笑顔を出せるようになった。
それは、見ている人たちも同様だった。『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』が中盤からますます面白くなっていったのも、ジアンのキャラクターが明るい方向に変化していったからだ。IU(イ・ジウン)の心の変化が視聴者にも好意的に受け入れられたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
コラム提供:ロコレ