「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.207「佳境に入った『二十五、二十一』!」

韓国tvNで放送中のドラマ『二十五、二十一』は、ネットフリックスでも同時配信されている。第10話まで終わり、これから第11話以降の終盤を迎える。佳境に入ってきた『二十五、二十一』の見どころをまとめてみよう。
画像提供=tvN

2021年のナ・ヒド

ナム・ジュヒョクが演じるペク・イジンとキム・テリが扮するナ・ヒド。2人が『二十五、二十一』の主人公だ。
仲間と一緒に行った夏の海岸への修学旅行も終わり、明らかにドラマは幸せから反転していく。悲しみが若い2人を襲っていくのか。
ドラマの鍵を握っているのが、2021年現在の41歳のナ・ヒドだ。
彼女は第10話の最後で奇妙な発言をする。「永遠の夏」とまで感激した1998年の夏の思い出があるはずなのに、2021年のナ・ヒドは高校時代にみんなと一緒に海に行ったことも忘れている。
「私が海に行った? 記憶にない」
娘のミンチェに向かってそうはっきりと言う。さらに、「永遠なんてない。すべては一瞬に流れていくものよ」とそっけなかった。
『二十五、二十一』をずっと見てきた視聴者は「なぜナ・ヒドがあんなに大切な思い出を忘れてしまったのか」と不思議に思う。
記憶喪失?
それとも、別人?
そんな半信半疑になってくる。

予想もできない展開

ミンチェにも謎がある。15歳の彼女はペク・イジンの若いときの写真を見ても、彼が記者として画面に出ているニュース映像を見ても、まるで反応がないのだ。
彼女は母が18歳のときの日記を読んで、ペク・イジンの存在を強烈に意識しているのに、そのペク・イジンの姿を見てもなぜ無反応なのか。
『二十五、二十一』は1998年と2021年を連綿とつなぐドラマだ。しかし、明らかに連続した時間が経ち切られている雰囲気がある。
その間に何があったのだろうか。
多くの視聴者の期待は、ミンチェの父親がペク・イジンであってほしい、ということだ。
しかし、それを実現するためのハードルが高そうだ。
第10話まで張り巡らせた伏線を一つずつ解き明かしながら、『二十五、二十一』はクライマックスまで予想もできない展開で突き進んでいくのだろう。
そのときに生まれるのは、視聴者の安堵か、それとも悲鳴か。
佳境に入ってきた『二十五、二十一』から目が離せない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.03.19